2005 10 03

サイレン

家の前の道を、サイレンを鳴らして、パトカーが走っていった。 マイクで話す声が、一瞬聞こえた。 道を開ける様に言ったのだろう。

こういった車を運転する人って、サイレンを鳴らして走っているときはどんな気持ちでいるんだろうか。 少しでも早く現場に行きたいと思う気持ち。 またか、と、うんざりする気持ち。 現場に行くことへの不安。 そんな立場に無い俺はただ想像するしかないのだが、その俺の想像の中では、彼等彼女らに最も強いのは優越感だったりする。 あれは、現場に急ぎたいのではない。 道を開けさせたいのだ。 その中で突っ走りたいのだ。

ところで、サイレンってのは、神話のサイレンが語源なんだろうか。 歌声で船乗りを惑わし事故を引き起こすとされる、海の魔女。 その歌声。 だとすれば、事故現場に駆けつける音がサイレンってのは皮肉というか、本末転倒って感じだよな。