2006 06 11

10年

しばらく前、 「ねえねえ、渡邊さん、ツンデレって知ってる?」 と訊かれて、知ってると答えたら、 「えーっ、知ってるの? 何で知ってるの? ひょっとしてオタクなの? オタク中年なの?」 と、酷く貶されてしまった。 いまどきツンデレぐらいでオタクも無いと思うが、中年ってのは否定できないのだな。 そして今日、また一つ年をとって、より確かな中年ライフに踏み出すのだ。 それにしてもオタク中年ってどうよ。 略してオタチュウっていうと、ちょっと可愛いけどさ。

俺が年を取った分、このサイトも年を取って、なんと今年で10年目。 10年。 凄いな、自分。

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帰りの電車の中、前に座った女子高生二人は、どちらも小太り。 ミニスカートの膝を開いてだらしなく座っているのだが、肉で埋まってパンツが見えないという状況。 膝を開いているのではなく、閉じれないのかもしれない。 そんな惨状にも関わらず、つい目が行ってしまうのが男の悲しさ。 そんな風に、微妙な罪悪感や自己嫌悪を 「男」 とかの大きな枠組みに帰して希薄化するのが人。 おお、わずか2ステップで人類全体か。 なんて考えてたら、思わず笑ってしまいそうになり、笑いを我慢するのに大変な苦労をしたのだった。

その女子高生たちが、こんなことを言っていた。

「昨日の小テストどうだった?」

「あー、私、全然駄目」

「私も。 今日のは?」

「今日のはまあまあだったかな。 昨日見たとこだし」

「えー、私、今日の方が悪かったかも」

「明日もだよね?」

「そう。 毎日毎日テストって、嫌になるよね、いい加減さぁ」

「全然休みが無いとさぁ、何のために生きてるか判んないよね」

「そうそう」

「何のために生きてるか判んない」 ってのはいいな。 ああ、そんなことを楽しそうに話している彼女らに不幸を。 求めて得られず、努めて報われず、後悔と絶望を愚痴で塗り潰すような人生を。 なんて考えてたら、また笑ってしまいそうになり、笑いを我慢するのにまたも大変な苦労をしたのだった。