2006 07 02

カメラ

一斉に咲いた紫陽花は、きっと一斉に萎れているんだろう。 そう言えば、盛りを過ぎた頃に見に行ったことが無いな。 と、高幡不動に行ってみた。 萎れた様を楽しむ(?)には、まだ少し早いようだった。

赤ん坊を連れた、少し歳のいった夫婦が、紫陽花をバックにかわるがわる写真を撮っていた。 お父さんが抱いて一枚。 お母さんが抱いて一枚。 青い花の前で一枚。 赤い花の前で一枚。 親は楽しそうだが、赤ん坊は迷惑そうだ。 親の胸に顔を伏せるばかりで、だんだんカメラのほうを見なくなってきていた。

そんな様子をぼんやり見ていたら、一枚撮ってくれと頼まれた。

はっと我に返って見れば、赤ん坊を中心に既に並んで待っている親子。 俺にカメラを差し出して。 ああ、いや、待っているのは親だけか。

まあ、家族揃っての写真が欲しい気持ちはよく判る。 チョンとシャッターを押すぐらいの手間を惜しむものでもない。 快くカメラを受け取ったのだが、そのカメラが使い捨てだったのにちょっと驚いた。 俺の中ではもう何年も前から、カメラと言えばデジタルカメラだったから。 ファインダーを覗いたのは、いったい何年ぶりだろう。 ファインダー越しの、少し色褪せて見える親子が、なんだか新鮮だった。

+

橋本龍太郎が死んだ。 本人がどう思っているかは知らないが、俺から見れば 「勝ち逃げ」 って感じだな。 献金疑惑も棺の中に。