社内の技術発表会があって、不本意ながら発表してきた。 毎回、引き受け手もネタもないところに、今回は課員の殆どが出張とかでいない。 そんな中、ちょうど微妙に暇だったってことで、俺に発表役が回ってきたのだった。
発表が決ってから、実際の発表当日まで、結構大変だった。 微妙に暇とは言ったが、仕事が無いわけじゃない。 なのにリハーサルが何度も。 そのためにスケジュールを調整して準備をしておいたら、当日になって予定が変更されたりして。 そうまでしたやったリハーサルがまた…
最初のリハーサルのとき、難しいだとか専門用語が多過ぎだとか言われて、 「今時フレームワークって言葉も知らないのは、そいつの不勉強ですよ。 そんな奴は、こんな技術発表なんて聴きにこないだろうし、来たって寝るだけ、聴いてやしないでしょう」 なんて軽く反論してみたのだが、あっさり却下。 以後、もう少し解りやすくしたつもりでやり直して、難しいと却下されて、の繰り返し。 そのうち、一々説明するのも面倒になって、言われるがままに面倒そうなところを削って行き、最後には電車の中で見かける怪しい本の広告のようになった。 「成功する人には、7つの共通する習慣があった！」 みたいな。
そして発表。
壇上でスポットライトがあたると、客席って全然見えないんだね。 派遣さんが、 「すんごい短いスカート穿いて、一番前の席に座ってあげようか」 なんて言ってたけど、これじゃあ全然意味が無い。 スカートどころか、シルエットも見えない。 もちろん、表情なんて判らない。 相手の反応が見えないってのは、結構やりにくいんだね。 お笑い芸人が、スタッフの笑いを取りに走る気持ちが、ちょっと判るような気がしたよ。
それはそれとして、気になるのは、いろいろ無理矢理削ったために、ちょっと嘘になっているところがあること。 そうした嘘が判る人には、諸般の事情で少々の嘘には目をつぶっているんだってことも、判って欲しいもんだな。