2007 06 02

ロシア皇帝の至宝展

江戸東京博物館で開催されている 「ロシア皇帝の至宝」 展に行ってきた。

キラキラ好きの俺の期待に違わず、キラキラした物がたくさん展示してあった。 特に金細工が良かったな。 金の食器が、ロシア語らしい飾り文字で縁取りされているのとか、かなりいい感じ。 一つ欲しい。

しかしまあ、冷静に考えると、飾り文字の縁取りってのは、ラーメンどんぶりの縁の中華グリグリマークと大して変わらないのだな。 良く見えるのは、金地に黒文字のコントラストが綺麗だってこともあるが、何が書いてあるか解らないってのも大きいんだろう。 これがもし 「オーディンの知恵とトールの力を併せ持つ偉大な皇帝陛下を…」 なんて読めてしまったら、有難味がかなり下方修正される気がするな。

金属加工に比べると、宝石の加工はかなり落ちる。 びっくりするほど大きな石をふんだんに使っているのだが、その石の一つ一つは、殆ど原石のままのように見える。 きちんとカットすれば、もっとずっときらきら光ると思うのだが、輝きはどれも今一つだった。 ダイヤなんて、最初はガラス球かと思ったし。 って、それは俺の見る目が無いだけか。 ダイヤかどうかは、ファイア(虹同様の分光の輝き)の有無で判断するんだそうだ。 一緒に行ったお嬢さんに教えてもらった。

絵もあった。 これは、金属加工とは違った意味で良かった。 展示してある絵のほとんどが、聖母子とか聖人像とかのキリスト教(ロシア正教だっけ?)を題材にしたもの。 そのどれもが、何だか不吉な印象なのだ。 ポイントは、たぶん顔と手。

顔を描くのに、目の下に隈のように影をつけるのは、当時の流行だったのだろうか。 それとも、聖人たちの苦労を示す、ある種の様式に則ったものだろうか。 これが大人だけならまだ判るが、母に抱かれる赤ん坊にもあるんだよね。 全体的に陰鬱に感じるのは、たぶんこの隈のせい。
これまた様式なのか、技術の発達段階の故なのか、顔や体に比べて異常に小さいのが多い。 手だけを見るとけっこうリアルなのが、逆に全体で見たときの異常さを際立たせる。 大きさだけではない。 母に抱きつく赤ん坊の手が、ありえない角度に曲がっていたりするのだ。

そんな聖母子の中に一つ、とても不吉で気に入ったのがあった。 折角だからと、出口の売店で絵葉書でも買おうと思ったのだが、その絵のは無かった。 残念。

ところで、オーディンとかトールとか適当に言ってみたけど、ロシアって北欧神話圏じゃなかったよな? と調べてみたら、意外な事実に辿り着いた。 英語の曜日って、北欧神話の神々が語源なんだそうだ。 太陽のSundayと月のMondayは別として、対応は以下の通り。

Tuesday 軍神チュール ( Tyr )
Wednesday 主神オーディン ( Odin → Woden )
Thursday 雷神トール ( Thor )
Friday 愛と美と豊穣の女神フレイア ( Freija )

Saturdayだけ何故かローマ神話の農耕神サトゥルヌスから。

両国

江戸東京博物館のレストランから見下ろす両国の街。 なのだが、こちら側だと、両国らしい建物が何も見えないな。

力士人形

ぱっと見て誰か分かる。 それはつまり、俺が記憶している力士しかいないということ。 この人形を置き始めた歴史が浅いのだろうか。 それとも、人の記憶に薄れた力士が置き換えられているのか。