休日だというのに出張。
このところほぼ毎日遊んで過ごしていたのだが、それでも休日に出張ってのは嫌だな。 ま、平日だって嫌なのだが。
そんな出張の帰り道。 北朝霞の駅で電車を待っていたら、ホリデー快速ってのがやってきた。 その名の通り、休日だけに走る快速列車らしい。 武蔵野線から八王子に直通なのだそうだ。 途中、立川にも停まるということで、乗ってみた。
何かが違う。
乗ってすぐにそう感じたのだが、何が違うのか、暫くは判らなかった。
気のせい? いや、気のせいにしては違和感が強いのだが。 違和感、或いは、うっすらと不安な感じ。 遅い? 確かに遅い。 快速って走りじゃない。 でも、そこに引っかかってるんじゃはないよな。 遅いのは、カーブが多いせいもあるんだろう。 カーブ… 武蔵野線って、こんなにカーブが多かったっけ? いや、武蔵野線じゃないのかもしれない。 武蔵野線から中央線に入るための線路があって、今はそこを通っているんだろう。 連絡する線路を短くしようとすると、どうしてもカーブがきつくなるよな。
そんな自問自答を繰り返しながら、 「ところで今はどの辺だろう?」 と、停車駅の案内を見ようとしたところで、この感覚が何から来るのかに気がついた。
無いのだ。
停車駅の案内が無い。 路線図が無い。 広告が無い。 車内に何の表示も無い。
普段乗っている電車には、人目を引くための工夫を凝らした広告が溢れている。 カラフルな停車駅の案内がある。 この電車には、少なくともこの車両には、何も無い。 壁も天井も、少々汚れた白一色。 他に何の色も無い。 それがどうにも落ち着かないのだ。
色だけではない。 広告用のフレームが有るのに、そこに何も入っていない。 吊り広告用のクリップが有るのに、そこに何も吊るされていない。 そんな、在るべき所に在る筈の物が一切無いという状況も、不安を掻き立てるのだ。
ホリデー快速を利用している人には今更って感じなんだろうが、俺にはちょっと新鮮な体験だった。