2008 01 08

どうしてこんなことになってしまったのか

年末の気怠い空気が嘘のような忙しさ。 連日、深夜の帰宅。 とは言っても、忙しいのは他の人なんだけどさ。 俺は暇。 暇なのに帰れないってのもどうかと思うが、忙しいよりはいいか。 やりたいこともあるし。

その 「やりたいこと」 が一段落し、思いっきり背伸びをしていたときに、窓の外から町内会らしい放送が聞こえてきた。 「女の子が家に帰ってこないので、心当たりの人は連絡してほしい」 だそうだ。 女の子の年齢は10歳。 11歳だったかな。 (朝から? 学校に?)出かけたっきり、未だ帰ってこないらしい。 出かけたときの服装は…髪型は…と、その子の外見的な特徴などが続く。

見回せば、他の人たちも手を止めて放送を聴いていた。 やまびこと空調の音とで聞き取りにくいその放送を、結構真剣な顔で。 その場には、結婚して子供がいる人と独身とがちょうど半々。 子供がいる人の方がより真剣に心配しているように見えたのは、気のせいではないだろう。 ああ、 「子供がいない」 で一括りにするのは良くないか。 少なくとも俺よりは、だな。 俺だってもちろん、子供が無事に見つかればいいと思う。 確かにそう思う。 でも、そう思う一方で、野次馬的な興味があることも否定できないんだよね。

2時間ぐらい置いて再度の町内放送があった後、今日も遅くなるからと父に電話するが、出ない。 何度か掛けなおして、ようやく電話に出た父は、弱弱しい声で呂律も回らない状態だった。 酒を呑んで寝ていたのだろう。 俺が遅く帰る日が続くと、だんだん酒量が増え、様子がおかしくなっていく。 そろそろ拙いかもしれないな。 明日は早く帰ろう。 何があっても早く帰ろう。

そんなことを考えながらも、今日家に着いたのは12時前。 いつも9時には寝てしまう父は、当然もう自室で寝ている。

着替えて、何か食べようとリビングの明かりを点けて…おっとその前にトイレ…と、トイレのドアを開けたら、床が水浸しになっていた。 何かを溢したのか、それとも漏らしたのか。 しょうがないので、食事の前にトイレ掃除。

適当に片付けて、ちょっと一息。 この状態でシーンとしているのも気が滅入るし、テレビでも点けるか。 今日の新聞は…と和室に足を踏み入れると、こっちも何だか湿っている。 湿っていると言うか、もうはっきりと濡れている。 濡れているのは、コタツの敷布。 捲ってみると、その下のカーペットも濡れていた。 カーペットを捲ってみると、その下の畳も濡れていた。 まだ新しいのに。 濡れているのがちょうど座る位置だけに、これは漏らした可能性が否定できないな。 しょうがないので、食事の前に湿気とり。 畳の濡れている部分は、新聞を敷いて軽く踏む。 敷布とカーペットも新聞紙で水気を軽くとってから、縦にした炬燵に捲り上げて乗せておく。 明日の朝までに乾くかな。 乾かないだろうなぁ。

さすがにちょっと心配になって、父の様子を見てみた。 眠っている。 ちょっと酒臭い。 でも特に怪我は無いようで、それはまあ、よかった。 こっちに来る前に、酒は止めると言っていたのだが、やっぱり止められないんだろうか。 でも、タバコは止めたんだよな。 酒だって、止められないとは思えないんだけど。

こーゆーことがあると、嫌でも考えざるを得ないのが介護。 そう遠くない将来に始まるんだよなぁ…。