2008 02 23

怒りの矛先をもう一つ

沖縄で米兵が中学生をレイプしたとされている事件。 ついていった中学生には全く落ち度が無いと、先日、どこかの女性団体が発表していた。

レイプに限らず、犯罪においては基本的に犯人が悪い。 一方的に悪い。 そんなのは判りきっていることだが、それでも 「全く落ち度が無い」 などと声明を出すのは、 「ホイホイついていった中学生も悪い」 などと傷口に塩を塗りこまれているであろう中学生の擁護を意図したものなのだろうか。

そうかもしれない。 そうじゃないかもしれない。 どんな悲惨な事件についても、それを自分たちの主張を宣伝するいい機会としか捉えない人もいるから。 この団体はどうなのだろう。

それほど遠く無い過去に、小学生がレイプされたことがあった。 あれは被害者が小学生だったから大きなニュースになったが、その他にもレイプは何度も起きている。 そうした事件が有ったことを、沖縄に暮らしていながら知らなかったのだろうか。 米兵に限ったことではない。 中学生ってのは、世の中にレイプという犯罪があることを知らない歳ではないだろう。

それなのに、米兵に誘われてついていくってのは、もう馬鹿としか言い様が無いではないか。 件の女性団体の人たちだって、自分の娘がそんな状況で米兵について行こうとしたなら 「馬鹿なことは止めろ」 と言うだろう。

ひょっとすると、危険を承知の上でついて行ったのかもしれない。 ちょっとした興味があってついて行ったが、いざとなるとやっぱり怖くなってしまったとか。 もしそうであるなら、それはそれで、やっぱり馬鹿だ。 素直にいい人だと信じてついて行くのとは、馬鹿の向きが違うが。

ああ、でも、馬鹿が落ち度なのかと言われると、ちょっと微妙なところだな。 全く落ち度が無いってのは、この辺りを峻別してのことだろうか。 ついて行った中学生は馬鹿だ。 しかし、馬鹿は落ち度ではない。 これなら少しは判るかも。

と、ここまで考えたところで、もう一つ可能性に気が付いた。 中学生は、米兵の危険を承知だからこそ、怖くて逆らえなかったのかもしれない。 下手に逆らって怒らせると、殺されるかもしれないから。

実際はどうなんだろう。 仮に馬鹿ではなく臆病でついて行ったのだとしたら、こうした憶測を向けられることがまさにセカンドレイプだよな。 「全く落ち度が無い」 とわざわざ擁護しなければいけないのは、俺みたいなのがたくさんいるからか。

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激しい風。 舞い上げられた砂で空が黄色く見える。