2008 04 19

武勇伝

痴漢を捕まえた女子高生アイドルとして、ちょっと前にニュースになっていた倉持結香。 習っていた空手で痴漢をKOし、警察に突き出したんだそうだ。 この倉持結香という人を、俺は、このニュースで見るまでは全く知らなかった。

何年か(或いは十数年)前、空手界のアイドルとしてちょっと注目された娘がいた。 空手界の女の子という、そりゃもうどうしようもないぐらいに狭い世界なのに、その娘は確かに可愛かった。 リアル柔ちゃんがグズグズに壊した夢を、リアルなつきはちょっぴり癒してくれた。

そんな経験が一般化できないことは判っているが、それでもアイドルと聞けば期待するし、期待してしまえば確かめずにはいられない。 という訳で、 「倉持結香」 で検索。 そしてたちまち後悔したのだった。 あれがアイドルでいいんだろうか…。

朝、いつものように学校に向かう電車(山手線)はいつものようにラッシュアワーでギュウギュウでした。 そして、いつものように(でもないのですが)痴漢さんが私の下半身を触ってきました。

いつもはちょっと手で払うくらいのですが、今日は自分でもどうしてなのかわからないのですが、怒って、手を掴んで 「次の駅で降りてください!」 といいました。 そうしたら、小さく、ほかの乗客に聞こえないような声で 「ごめんねごめんね」 と殺し屋1のように言うのです。 きっと今まではそれで女の子達も恥ずかしさもあるから泣き寝入りしていたと思うのです。 でも 「餓狼伝」 好きの私には通用しません。

私はもっと怒ってしまい、丁度駅に着いたとき、胸ぐらを掴んでホームに出しました。 そうしたら予想通り、走って逃げようとしたので、事務所でマネージャーさんに習っている空手を使うのは今だ!と思い、 「正拳突き」 からの 「下段回し蹴り」 を打たせていただきました。

そうしたら、100キロ以上ありそうな人が、下段が効いたらしく倒れてしまいました。 そのうちに、周りの人たちが助けに来てくれて、警察に向かいました。

今日は警察で被害届等の書類を書いて、立証をしてきました。 この痴漢さんは常習者で、警察も捕まえようと考えていたそうで、誉めていただきました。

これは、倉持結香のblogにあった、痴漢逮捕の顛末。 そして、こうした事件の例に漏れず、コメント蘭は祭り状態。 曰く、 「よくやった!」 「やりすぎでは?」 「100キロの男をやっつけるなんて凄い!」 「本当にやっつけたの?」 等々。

そんなコメントを辿っているうちに、ちょっと気になるものを見つけた。

話によると昨日の痴漢の話はこのことらしいです。 ニュースとして流れる前から聞いてただいたいの時間と場所も合ってるみたい。 助けた本人に聞いたことなので信憑性はかなり高いと思われます。 だとするとこの自力で解決したという話はどうなのか。 とりあえず聞いた内容。

これ、実際に助けた人の友人がmixiで書いた日記なんだそうだ。 ここに書かれていることが本当なら、空手は、自身の日記に登場しない誰かに痴漢を捕まえてもらった上での、感情的な死刑の手段だったことになる。

こうした事件に遭遇して、その顛末をついつい誇張して語ってしまうのは、割とよく有る話。 動揺している中でのこと、語っている本人にとっては、語っていることは決して誇張ではない真実なのかもしれない。 記憶を捏造してしまうこともあるし。 これは、直接の被害者も、助けに入った人にしても、同じこと。 どちらがより事実に近いのか、見ていない俺には全く判らない。

ただ思うのは、今がネットの時代なんだってこと。 こんな事件で思うのもどうかと思うが、今の世の中はネットの時代なんだよな。 既存メディアがふるい落とした様々な玉石を、ふとしたことで拾ってしまうのだ。

そんなカオスを、俺は結構気に入っている。