2008 09 25

裸の王様

帰りの電車で、窓に映った車内の景色をぼんやり眺めていて、ふと裸の王様を思い出した。

馬鹿には見えない布で作られたという服を着る王様。 その服が見えなくて、 「ひょっとして俺って馬鹿なのかも」 と、暗い気分の毎日。 空気の読めないガキに 「王様は裸だ」 と言われて、ようやく救われる。

そんなお話。

子供の頃は、この王様のことを馬鹿だと思っていた。 見えない服なんて有る訳無いのに、何でそんなに簡単に騙されるのかって。

大人になった今、やっぱりこの王様のことを馬鹿だと思う。 そんな服を、王様が自分で着るという点で。 もし俺が王様だったら、この見えない服を宮廷勤めの女官の制服にするね。 もちろん、女官は美人ばかり。

これ、何を恥ずかしがっておる。 大丈夫、見えておらん。 ワシは馬鹿では無いからな。 おや、お前はひょっとしてワシが馬鹿ではないかと疑っているのか?

なんて。 まあ、これはこれで馬鹿なんだけど、もう馬鹿でも良いやと思える楽しい毎日。 ああ、毎日だと飽きてるかもしれないな。 日替わりにするか。 月曜日はお前、火曜日はお前、みたいな。 普通の布で作ったエプロンを着用させるのも良いかもしれないな。

それにしても、なんで裸の王様を思い出したんだろう。 繋がるものが車内に有ったとは思えないのだが。