2008 12 02

失恋レストラン

不況のせいで、来年から予定していた開発が中止になるらしい。 他人事のように見ていたニュースが、一気に身近になったな。 俺だけがちょっと暇って程度ならいいのだが。 ま、それはそれ。 今やらなきゃいけないことは、残念ながらたっぷりとあるのだった。

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歩いているとき、ふと気がつくと歩調に合わせて何か歌っていることがある。 割とよくある。 歌うのはもちろん脳内だけど。

今日もそう。 バス停に向かって歩きながら、ふと気付くと、清水健太郎の 「失恋レストラン」 を歌っていた。

我ながらビックリの古さ。 これが流行っていた頃は、俺はまだ小学生だったはず。 あの頃、母親が勤めていた印刷だか看板だかの会社に、よく遊びに行ってたよなぁ。 それでレタリングに興味を持って、ノートの表紙にあれこれ書いたんだっけ。 「国語」 とか 「算数」 とか。 そうそう、3つ上の親戚と一緒に行ったら、その会社の娘が親戚を気に入ったらしくて、小学生の俺にも判るぐらいに積極的にアタックしてたんだった。 その時は 「なんかすげー」 としか思わなかったけど、今更のように羨ましくなってきた。 彼は、どこに行ってもモテモテだからなぁ。 ああ、そういえばあの娘が清水健太郎が好きだったんだっけ。 それを知って、 「あんな泥水ゲタロウのどこがいいの?」 なんて憎まれ口を叩いてたんだよな。 あの娘は、今、何をしてるんだろう?

そんなことを考えながら、脳内で歌う失恋レストラン。

悲しけりゃここでお泣きよ
涙拭くハンカチもあるし
愛が壊した君の心を優しく包む椅子もある

ねぇマスター作ってやってよ涙忘れるカプセル。

あれ? カプセルだっけ? いや、違うだろ。 飲むと、涙を忘れて、なんだか楽しくなってくるカプセルって、むしろまずいだろ。

なんて、うろ覚えの脳内ソングから始まる迷い道。 だんだん楽しくなってきて、バス停に着いた頃にはもう抑えきれない半笑い。 寒そうにバスを待つ人の列の端っこで、俺だけが半笑い。 そんな失恋レストラン。