2009 07 31

エイリアン

小学校の理科の授業で、妻の出産を撮影したビデオを見せた先生がいるんだそうだ。 読売新聞によると

堺市立平岡小(堺市西区)の男性教諭(32)が7月、5年生の理科の授業で、妻の出産シーンを撮影したビデオを約10分間見せていたことがわかった。

ビデオには、へその緒や局部の一部も映っており、一部児童が 「気持ち悪かった」 「怖かった」 などと訴えたため、校長らが全家庭を訪問し、謝罪した。 市教委は 「児童にとってショッキングな部分もあった。 不適切だった」 としている。

市教委などによると、ビデオは、男性教諭が2年前に撮影したもの。 7日と9日に 「生命の誕生」 をテーマにした授業で、1クラスずつ5年生全員(計68人)に見せた。

男性教諭は 「命の誕生のすばらしさを伝えたかったが、軽率だった」 と反省しているという。

妻の出産に立ち会って、その後に不能(妻限定の場合も)になる男もいるんだとか。 俺も高校の頃に教育で見たけど、まあ、気持ち悪いよな。 見せる側は感動のシーンのつもりかもしれないが、初めて見る人の多くは、ただ気持ち悪いだけなんじゃないかと思う。 小学生ならなおさら。

しかし、だからこそ、性行為に興味が湧き出す頃にその行為の代償(?)がどんなものかを見せておくという意味で、いい教育になるんじゃないかと思う。 もし子供の頃にこうした出産シーンを見ていたなら、自分がこれをすることになるかもと思ったら、出会い系サイトに売春目的で書き込みする女子高生なんてぐっと減るんじゃないか。 感動ではなく、恐怖で。

ついでに言えば、命の誕生のすばらしさを感じるためには、まず命のすばらしさを知らなくてはならない。 で、命のすばらしさを知るためには、身近な誰か(或いは何か)の死を悲しむという体験が必要だと思う。 死とまではいかなくても、せめて別れの辛さぐらいは。 そうした経験無しでは、命なんてのはそこらにありふれたもので、ありふれたものがまた一つ増えたところで、大した感動もないだろう。 ましてその増え方がグロテスクだった日には…

なんて、 「熱心のあまりついやりすぎてしまう先生」 という方向で考えてやるのもここまで。 あれはそんなもんじゃない。 羞恥プレイ だ。 きっと。

産後、しばらくは子育てでご無沙汰だったのが、そろそろ二人目が欲しくなった妻から迫られる。 しかし、出産シーンを見てしまった夫は、なかなかその気になれない。 そこで逆転の発想。 あのマイナスをスパイスに。 マイナスこそスパイスに。 そんな感じで、外では 「命の誕生のすばらしさを伝えたかったが、軽率だった」 とか言ってるが、家に帰れば、 「子供たちみんな、瞬きもしないでお前のここを凝視していたよ」 なんて言ってるのだ。

そう言えば、いつだったか、教室か研究室かでハメ撮りしたビデオを教材と間違えて授業で見せてしまった大学教授がいたな。 誕生の原因がそんなことでも、誕生のシーンでは命のすばらしさを感じるんだろうか。