2010 08 02

敵は無駄毛

忙しい。 ような気がする。

「こないだ、アイアンマンを見てきたんですよ」

「ああ、最近までCMでやってたやつだよね」

「そう、それです。 あの中に出てくるUIが、なかなか興味深いものだったんですよ」

「ふーん、どんなの?」

「こう、ぐしゃっと空間を掴んで削除するんです」

「ああ、なるほど、それは直感的かもしれないね」

「そうなんです。 でも、向きはいいとして、どうやって奥行きを把握するんですかね」

「相対でいいんじゃないの? その方向に、腕を曲げた状態が最近、伸ばした状態が最遠で」

「それだと、ファイルがいっぱいだと大変ですよ?」

「いや、いっぱい置くなよ、そんなインターフェースなんだから」

「ははは、そうですね」

「そうそう、俺も一つ、CM見てて気になったんだけどさ」

「なんですか?」

「あのスーツ? パシパシって閉まっていくやつ。 あれ、肉を挟んだりしないのかな?」

「え? アイアンマンのCMを見て最初に気になるところがそこなんですか?」

「でも、深刻だよ? 装着する度に涙目だよ?」

「そりゃ肉を挟んだらそうでしょうけど、私はそんなこと考えもしませんでしたよ」

「そりゃ油断してるからさ。 その髭も危ないんじゃない?」

「あ、顔は大丈夫ですよ。 ちょっと厚手のパッドみたいなのを挟みますから」

「そうなんだ。 臑毛とかは?」

「長ズボンはいてましたね」

「それ、使用上の注意にちゃんと書いとかないとね」

「肉や毛を挟まないよう、長袖長ズボンを着用してください」

「そうそう」

「うわ、一気にかっこ悪くなりましたね。 私の中ではかなりいい物だったのに。 ブルーレイまで買ったのに」

「あー、それは悪かったね」

アイアンマンは未見なのだが、空間をつかんで削除ってインターフェースはいいかもしれないな。 フォルダをポンと叩いて、手をザッと横に動かすと、中のファイルが手を動かした範囲に展開される。 1回叩けば一番前に。 2回叩けば中身を表示。 いや、叩くよりは摘む方が直感的か。 ファイルを摘んで移動。 摘んだままちょいと振ると、内容の表示。 摘んで裏返せばプロパティの表示。 そしてグシャッと握り潰してゴミ箱へ。

アイアンマンとは関係無いが、このUIの延長で、メール送信が射撃ってのもかっこいいかもしれないな。 メールを起動すると、手元にメールガンが現れる。 メールガンの横には溝がついていて、ファイルをその溝に通すことで送信対象とする。 前方には大きなアドレス帳が的として展開されていて、撃ち抜くことでメール送信。 トリガーを半引きするとロックオンで、全引きすると一斉送信ってのもいいかも。 あ、でもこれが受けるのは男だけか。 女だったら、ポストペット3Dみたいなのがいいのかもしれないな。 ポシェットにメールを入れて猫の首にかけると、 「行ってくるニャ」 とか言って、窓から出て行くとか。

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高幡不動の写真コンクールで、父の撮った写真が入選したそうだ。 父、超得意顔。