2011 01 10

成人式に

馬鹿が騒ぐ成人式という構図の報道を、今年はあまり見なかった気がする。 実際に無かったのか、他にマスコミの目が向いていたのか。 まあ、どっちでも良いことだけど。

成人式に思い入れが無いからそう思うのかもしれないが、自治体がわざわざ成人式なんかやるんだったら、その金でそれこそランドセルでも買って施設に寄付すればいのにと思う。 流行のタイガーマスクのように。 いや、いっそのこと成人式を、新成人が社会奉仕をする日にすればいいのだな。 これなら、年々低下する参加率を、 「自分たちが開催する成人式が魅力的じゃないのかも?」 なんて自問せず、近頃の若者に責任を押し付けることができるだろう。

ところで、タイガーマスク。 施設に匿名でランドセルを贈るのが、全国的に広まっているのだとか。

そんなことをする気が一切無い俺が言うのもどうかと思うが、これ、来年も続くだろうか? 来年ぐらいは続くのかな。 いずれにしても、だんだん下火になって、そのうち無くなってしまう気がするな。

ランドセルを送る側は、必要な人数を事前に調べてるんだろうか。 余る分には問題無いが、ちょっと足りないのは悲劇だよな。 1個だけ足りないとか最悪。

一つ一つ手渡されて、笑顔になる子供達。 ところが、最後の一人の分が無い。 凍り付く空気。 泣き出す最後の子供。 ふと、職員が一人の子を見る。 見てしまう。 その子は優しくて、いつも他の子供に譲ってやる子。 その子も敏感に気付く。 自分が何を期待されているのか。 良い子でなければいけないと思い込んでいるその子は、ここでもまた、良い子を演じてしまう。 泣きたい気持ちを抑えて、笑顔で自分の持っているランドセルを差し出すのだ。 「いいの?」 「いいよ、私、手提げの方が好きだから」 そう、私はランドセルよりも手提げの方が好きなのだ。 だってその方が大人っぽいし。 実際に6年生でランドセル使ってる人なんていないし。 と、自分にまで嘘をついて。 安堵よりも罪悪感が勝るのに、笑顔で 「よかったね、大切にするんだよ」 なんて言う職員。 でも、この子はきっとランドセルを大切にしないだろうと、過去の経験から思う。 譲ってもらった子は、譲ってもらったものを大切にしない。 すぐに壊して、或いは無くして、また泣いて、また譲ってもらうのだ。 「みんな、これからも助け合って頑張って」 なんて言いながら考える。 この先も、助ける側は一方的に助け、助けられる側は一方的に助けられるだろう。 助ける役と助けられる役が固定化した状態を、はたして助け合いと呼ぶのだろうか。 でも、子供達がどうであれ、施設として助かったのは確か。 今年、これだけブームになったのだから、若干勢いが衰えることはあっても、来年もきっとあるだろう。 今年の7割のランドセルが贈られてくることを、来年の予算には組み込んでおくか。

そんなことをノリノリで想像してる俺。

そういえば、タイガーマスクには敵役でブラックタイガーってのがいたような。 ブラックタイガーなら、事前にちゃんと人数を調べて、1個だけ足りないようにランドセルを贈るとか…しないか。 地味に効果的ではあるけど、やってる悪事がこれでは、悪役として映えないもんな。

さて、こちらは、成人式にはまだ遠い中学生の話。 読売新聞から。

10日午後2時50分頃、広島市中区三川町で巡回中のパトカーが盗難車の四輪駆動車を発見し、追跡した。

盗難車は信号無視や道路の逆走を繰り返し、パトカーなど計4台に衝突。 約10分後、数百メートル離れた同区内の国道54号交差点で、右折待ちの軽乗用車に追突して止まった。 盗難車には中学生の男女5人が乗っており、広島県警広島東署は14歳の男女3人を窃盗容疑で緊急逮捕、13歳の2人を補導した。 けが人はなかった。

捜査関係者によると、盗難車は14歳の少女が運転しており、同県府中町で8日、盗まれていた。

いつも思うことだが、二次ロリとか規制しようとする人たちは、どうして尾崎豊の歌を禁止しろって言わないんだろう。 古い漫画の台詞を置き換える人たちなら、 「盗んだバイクで走り出す」 を 「レンタルバイクで走り出す」 に置き換えて台無しにするぐらいのことをしてもいいはずなのに。