2011 02 23

志布志

鹿児島の端、宮崎の境辺りに志布志という場所がある。 正確には、鹿児島県志布志市志布志町志布志。 だから何ってことはなくて、地図で見つけて、文字の並びが気に入ったのだった。 いつか行ってみたい。

そんなことを思いながら、クソ寒いマシン室で作業する日々。

「もう毎日言ってるけど、寒いよね」

「そうですよね。 本当に寒いです。 御陰でちょっと風邪気味ですよ」

「それでコートか。 俺も着ようかな」

「これでもまだ寒いぐらいですから」

「マシンを冷やさなきゃってのは判るけど、この時期にエアコンかけて冷やす必要って無いよね」

「どうせ寒いですからね」

「そう、窓を開ける方が電気代もかからないし、俺等の諦めもつくっての」

「いや、僕はむしろ窓を開けられた方がショックです」

「あ、そう? 確かにそうかもね。 まあ、言いたいのは、マシンと俺等とどっちが大切かってことだよ」

「なんか、マシンって即答されそうですよね」

「即答どころか、ちょっと怒って『そんなのマシンに決まってるだろ!』なんて?」

「ははは、そうです。 実際にそんな風に言われたら、その場で帰りますけど」

「そうか? 実際に言われたら、『ですよねー』なんて言っちゃうんじゃないの?」

「あー… すいません、多分そっちです」

「あはは」

そして溜め息。 吐く息が白くなったりしないのが、せめてもの慰めか。

寒い中でふと気付いたのだが、相撲の八百長防止に、着ぐるみはどうだろう。 あれは、誰と誰が対戦するかが事前に判っているから、互いの申し合わせができるんだよな。 だから、相撲協会でも、事前に取り組みを教えないことを対策として検討するのだし。

で、そこをもう一歩進めるのが着ぐるみ。 実際の取り組みになっても、誰と対戦しているのか判らなくしてしまうのだ。 誰が何を着るかは固定しない。 固定するとバレてしまうからね。

着ぐるみとして子供に人気のものを用意すれば、相撲ファンの裾野も広がって一石二鳥。 ドラえもん、キン肉マン、クレヨンしんちゃん、キティちゃん、怪しい鼠、プリキュア、などなど。 「キティちゃん VS 怪しい鼠」 なんて、子供には夢の対戦カードじゃないか。

ついに決着をつける日がやってきました。 やはり猫が圧勝するのか。 それとも窮鼠猫を噛むのか。 全国の子供達が固唾をのんで見守る中、両者堂々の土俵入りです!

みたいなの。 ああ、でも、体型がネックになる着ぐるみもあるのか。 ドラえもんとか怪しいアヒルならいいけど、120kg超あんこ型同士の 「プリキュア VS セーラームーン」 なんて、夢は夢でも悪夢でしかないもんな。 いや、これはこれで見てみたい気もするけど。

対戦で思い出したけど、子供の頃、 「デビルマン VS マジンガーZ」 なんて映画があったんだった。 デビルマンとマジンガーZが戦うのかと思って期待して見たんだけど、これがさっぱり。 共闘して敵に当たって、当然勝ってめでたしめでたしで終わり。 タイトル大嘘。 今思い出しても腹が立つ。

夏場所の夢の対決を見る子供達に、あんな思いはさせたくないものだな。