2011 03 01

人間地雷

何年か前に、ガソリンをかぶって焼身自殺したバスの運転手の件が、どうやら冤罪によるストレスだったという話。 毎日新聞の記事から。

名古屋市交通局のバス運転手、山田明さん(当時37歳)=同市緑区=が07年6月にパワーハラスメントを示唆する文書を残して焼身自殺した問題で、山田さんが自殺を図る前日に市や警察から事情を聴かれた車内の転倒事故が、山田さんのバスで起きたものではなかった可能性が高いことが市の内部資料から分かった。 遺族側は 「自殺は冤罪による重度のストレスによるもので、公務災害は明らか」 として1日、自殺を公務外と認定した地方公務員災害補償基金名古屋市支部決定の取り消しを求め、同支部審査会に審査請求した。

内部資料は、事故があったとされる07年5月28日に山田さんが運転した路線バスの各停留所での ▽発車時刻 ▽乗車人員 ▽降車人員 ▽通過人員 を記録した乗客調査表。 今年1月の同支部決定後、遺族側の情報公開請求に対して市が開示した。

市によると、被害者の女性は転んで顔や腰などを打ち、市に 「滝子停留所で午前11時半ごろに乗車し、桜山東停留所を発進した後に転倒した」 と証言した。 市は乗車時刻から運転手を山田さんとは別の2人に絞ったが、2人とも否定。 3人目として同年6月12日に山田さんを聴取したところ 「私の運行する時間帯であればそうでしょう」 などと回答したため運転手を山田さんと特定したという。

だが乗客調査表では、山田さんのバスに滝子で乗った乗客は桜山東までに全員降車していたことが判明。 滝子の発車時間も 「午前10時36分」 で女性の証言と1時間もの開きがあった。

一方、市交通局労務課は 「お答えできない」 と話している。

記事中、 被害者の女性は転んで顔や腰などを打ち とあるけど、 この女は被害者なのか?

バスの運転手とはいえ公務員。 だから、バスが急発進や急停車をしていたなら、つまり公務員側の非を責められる状況なら、その部分をきっと書くと思うのだ。 それがマスコミだから。 しかし、そんな記述はない。 ということで、バスは普通に走ってて、乗客の女が勝手に転んで、後で文句を言ってきたのではないかと想像するのだが。 「急発進したりするから手摺や吊り輪につかまれ」 とか、煩いぐらいに車内放送しているのを無視して携帯でも弄っていたのではないか? ハイヒールのせいで、よろめいた時にバランスを回復できずに倒れて怪我をしたのではないか? と。

どんな商売であれ、何かの問題に対する社内調査の結果を外部に公表する時、まず最初に除外されるのが 「客が悪い」 という答えなんだよな。 本当にそうであっても、実際にそう言ってしまうと叩かれるから。 その点、公務員の場合は、 「対応は適切だった」 みたいな回答も多いのだが、今回の場合は、運転手に責任を押し付ければ済むと考えたのだろうか。

まあ、何であれ、客が悪いならそうとはっきり言うべきだよな。 実際が俺の想像通りだったなら、 「運転は適切だった。 女は、車内放送での注意に従わず、手摺も吊り輪もつかまずに立ち、携帯電話に気を取られていた。 他の乗客は倒れなかったのに、この女だけが倒れたのはハイヒールだったため。 転倒して怪我をしたのは自己責任だ」 ぐらいのことを言え。 ついでに、 「公務員といえば叩くマスコミに対する恐怖で、ついつい社員に責任を被せてしまった。 そうしたマスコミの態度も問題だが、そんなマスコミの圧力に屈してしまった役所幹部の弱さも問題だ」 なんて、反省するふりで責任転嫁しても、俺は責めないよ。