2011 03 08

何を今更

これがもう本当に今更って話なのだが、見た目によるバイアスについて。 R25から。

「ところが、やっぱり顔立ちがいい人は得なんですよ。 心理学の世界には“魅力バイアス”という言葉があります。 バイアスとは判断に偏りを生じさせるものの意で、簡単にいえばルックスのいい人は、それだけで性格も良さそうに思われるし、運動もできそうに見られる傾向があるんです」

そう語るのは、これまでに多くの恋愛指南系の著書を上梓してきた内藤誼人先生だ。 でも、それでは十人並みのルックスの持ち主にとって、あまりに絶望的じゃ…。

「厳しい現実かもしれませんが、イケメンほど何をしても許されやすい傾向があることは、実証されているんですよ。 これはカナダのセントメリーズ大学で、マーク・パトリーという心理学者が行った実験によるものです。 172名の学生に、裁判官になったつもりで強盗犯の記事を読んでもらい、有罪か無罪かを判定させました。 ただし、被疑者の顔写真に手を加え、半数はイケメン、もう半数には醜い人物の顔写真を添えて配布したんです」

その結果、イケメン被疑者を 「有罪」 と判定したのが 51.9% であったのに対し、ブサイク被疑者を 「有罪」 としたのは 77.1% に上ったという。 同じ内容であっても、ルックスが心証に大きく影響したわけだ。

判っていても、こうして記事にしてあらためて突きつけられると、やっぱりちょっと凹むよなぁ。 俺は多分、マイナスのバイアスをかけられる側だからね。

記事はこの後、イケメンに対抗するために見た目を性格でカバーすべしと話が続くのだが、 「カバー」 と表現しているところからも、その限度が知れるってものだ。

ま、それはそれとして。 見た目の違いによる扱いの違いが実際にあるという認識が広まることも大事だと思う。 何が怖いって、見た目で扱いを変えていることに、多くの人が気付いていないってことなんだよな。 或いは、気付いていても、それを問題と思っていない。 醜い内面は外見に滲み出るものだから、とか言って。

例えば、痴漢にあった時。

「やめてください!」 と振り向いたはいいが、触っていた手を握っているなどの証拠が無ければ、ほとんどの人は、その人の中で最も痴漢にふさわしいイメージ(つまりは自分が嫌いなタイプ)の人を睨みつける。 そこで留まってくれればいいが、この手の人は、そいつを指して 「この人、痴漢です!」 と言ってしまったりするのだ。

何の証拠も無いんだけど、その人の中では何の疑いなく、こいつが痴漢で確定。 何故なら見た目がキモいから。 まあ、何の疑いも無いってのは言い過ぎかもしれないけど、自分の怒りをぶつけるのに、見た目嫌いなタイプになら敷居が低くなるのは確かなんだよな。

こんなとき、魅力バイアスが広く認知されていれば、 「あれ? こいつを犯人だと決めつけたのって、こいつが不細工だからでは?」 と自制&自省が期待できるのではないかと思うのだ。

いや、一瞬そう思ったけど、やっぱり無理か。 そこで自制&自省できるような人なら、最初からもっと慎重だよな。 それに、痴漢だと声を上げてしまった女が、自分の間違いを認めるとも思えないし。 間違った可能性に気付いたとしても、そこで引き下がって自分の非を認めるより、このままこいつに押し付けてしまおうと考えるだろう。 「だって一番痴漢っぽいし、もういいじゃん、こいつで」 なんて。 精々が、怒った振りして隣の車両に行くとかで、警察沙汰にしないぐらいか。

まあ、そんな態度をとるのは、たいてい不細工な女なんだけど。

と、美人が大好きな俺が言ってみる。