2012 02 20

やっぱり死刑

光市の母子強姦殺害事件は、死刑が確定した。 読売新聞から。

山口県光市で1999年に母子2人が殺害された事件で、殺人や強姦致死などの罪に問われ、差し戻し後の控訴審で死刑となった元会社員大月孝行被告(30)(犯行時18歳1か月)について、最高裁第1小法廷(金築誠志裁判長)は20日、被告の上告を棄却する判決を言い渡した。

死刑が確定する。

判決によると、大月被告は99年4月、排水検査の作業員を装って近所の会社員本村洋さん方を訪れ、妻弥生さん(当時23歳)を乱暴目的で襲って、抵抗されたことから両手で首を絞めて殺害した。 泣きやまなかった長女の夕夏ちゃん(同11か月)も、ひもで首を絞めて殺し、財布を盗んで逃走した。

最高裁によると、記録が残る66年以降、犯行時少年で死刑が確定したのは12人。 60~70年代は被害者が1人のケースもあったが、連続射殺事件の永山則夫・元死刑囚(犯行時19歳)の判決確定(90年)以降は、いずれも被害者数が4人だった。

死刑が妥当だとは思うが、死刑になったところで執行されないんだよな、きっと。

記事にわざわざ永山基準の4人を付記するのは、読売新聞としては、この被告の死刑に反対なんだろうか。 まあどっちでも良いのだが、賛成か反対かをはっきり書かず、事実の見せ方で暗に主張するやり方が、なんだか胡散臭くて嫌な感じだよな。 死刑に賛成か反対か、人の答えは聞きたがるくせに。

質問でも記事でも、まずは自分の立場を 「私個人としては賛成、読売新聞では反対を主張していますが…」 と表明した方が、暗に示すよりも余程議論が進むし、発する言葉の信頼性も高くなるだろう。 経済や年金ではやっている立場表明を、こうしたことでは絶対にやらないのは何故だろう。 何を恐れているのか。

この記事、わざわざこんな 「おことわり」 が付けてある。

読売新聞は、犯罪を犯した未成年者について、少年の健全育成を目的とした少年法の理念を尊重し、原則、匿名で報道しています。 しかし死刑が確定すれば、更生(社会復帰)の機会はなくなる一方、国家が人の命を奪う死刑の対象が誰なのかは重大な社会的関心事となります。 このため20日の判決から、光市母子殺害事件の被告を実名で報道します。

だから、重大な社会的関心事だと思うなら、自分の立場を表明しろよ。

ところで、死刑を 「結局は人殺しで、犯人がやったと同じこと」 なんて言う人がいるけど、そういった人は、例えば食べるために動物を殺すことと遊び半分の虐待で殺すこととを、結局は殺すのだから同じことだと認識しているのだろうか。