2012 03 21

森林

暖房だと暑いが、何もしないと寒い。 少し肌寒いぐらいだと空気がきれいに感じるものだが、職場の空気は気温に関係無く澱んでいるのは何故だろう。 ちょっと前に何かの番組で取り上げられていた奥多摩の出張オフィスだと、空気も違うんだろうか。 森の匂いとかしてるのかな。

「森と林ってどうなんだろう?」

「どうって、森と林がどうかしたんですか?」

「なんか、仲が悪いんじゃないかって思ってさ。 いや、林が一方的に敵視しているのか」

「そんなこと、これまで考えたこと無いですけどね」

「いや、ほら、森の上のちっちゃい木が、林の心を刺激しそうじゃん」

「あー、言われてみれば、ちょっとそんな気もしますね。ちょっと小さいのがまた」

「そうそう。 なんだよその中途半端な木は、みたいな」

「だんだん判ってきました。 ちょっと負けてる感じがするのを、認めたくないんですね。 そう言えば、林がパワーアップしたのが森ってイメージですからね」

「そうなんだよ。 で、林はいろいろ突っかかって行くんだけど、森は余裕を見せて相手にしないんだね」

「相手にしませんか」

「うん、しない。 でも、あんまり煩いと 『黙れ3分の2』 なんて言っちゃう」

「うわぁ」

「森から3分の2呼ばわりされた時の敗北感って、きっと相当だよね」

「確かに。 1週間ぐらい引きずりそうな気がします」

で、実際に森と林が互いにどう思っているのか気になって、周囲を見回してみたのだが、知ってる範囲には森さんも林さんもいなかったのだった。