2012 04 07

運が悪かったのか

読売新聞から。

大阪市の橋下徹市長は5日、市が同日発表した施策・事業の見直し試案で「2013年度に廃止」とされた市音楽団の音楽士36人の処遇について「単純に事務職に配置転換するのは、これからの時代、通用しない。仕事がないなら、分限(免職)だ」と述べた。

市改革プロジェクトチームの試案では、音楽団を「行政としては不要」としつつ、市が正職員として採用してきたことから、「配置転換先を検討」としていたが、橋下市長は「分限(免職)になる前に自分たちでお客さんを探し、メシを食っていけばいい」と述べ、配置転換を認めない意向を示した。

市音楽団は1923年に発足。 国内唯一の自治体直営の吹奏楽団で、市公式行事での演奏や有料公演などを行っている。 市は公演収入などを差し引いた運営経費や人件費として年約4億3000万円(2010年度)を負担している。

この人に対する評価が、俺の中ではずっと微妙な状態。

分かりやすい敵を作って、叩いて見せて、人気をとる。 そんな手法が長続きしないのは分かっているが、逆に、だからこそ、旧弊を壊す段階の今は好きにやらせて、程よく壊れたあたりで共倒れで退場してくれるかも、とか。 たるんだ組織を立て直すなら、短期的には、やりがいよりも恐怖で縛る方がいいんじゃないか、とか。

さて、赤字は、楽団の実力が無いせいなのか、システムのせいなのか。 実力の問題なら、分限は微妙にしても、楽団のメンバーは何らかの責めは追うべき。 システムのせいなら、突然切り捨てるのは拙いよな。 そのシステムを築いたのが自分ではなかったとしても。 そのシステムを壊すことを公約に掲げて当選したとしても。 せめて、野球選手みたいな契約にして、最低1年ぐらいは保証し、後は実力次第の契約更新にするとか。

行政は文化を支えるべきか。 金を取ってやる一般公演だけなら黒字だが、子供を招待したり慰問したりもあって赤字で、その分を税金で補助するというぐらいが、行政が文化を支えるというレベルだと思う。 これなら、苦しい時は無料公演をやめるとかの対応ができるし。 でも、行政からの補助が生命維持装置になっちゃ駄目だろう。

この金で何ができるか? みたいなのが流行ったことがあったけど、あれと同じことを真剣に考えたとき、それでも楽団という結論になるだろうか。

この4億を、例えば、赤字はしょうがないものとして待機児童の解消に使うとしたら。 例えば、医師看護師を増やすために使うとしたら。 そんな選択肢で、それでも音楽をとるだろうか。

って、仮定の話をしてもしょうがないか。 最悪なのは、楽団員がクビになったと思ったら、みんな生活保護で暮らしていたというオチか。 仕事で演奏してた時はいろいろ辛いこともあったけど、今は完全に趣味なんで、毎日楽しいですよ? みたいな。