2012 05 08

アポトーシス

読売新聞から。

就職活動の失敗を苦に自殺する10~20歳代の若者が、急増している。 2007年から自殺原因を分析する警察庁によると、昨年は大学生など150人が就活の悩みで自殺しており、07年の2.5倍に増えた。

警察庁は、06年の自殺対策基本法施行を受け、翌07年から自殺者の原因を遺書や生前のメモなどから詳しく分析。 10~20歳代の自殺者で就活が原因と見なされたケースは、07年は60人だったが、08年には91人に急増。 毎年、男性が8~9割を占め、昨年は、特に学生が52人と07年の3.2倍に増えた。

背景には雇用情勢の悪化がある。 厚生労働省によると、大学生の就職率は08年4月には96.9%。 同9月のリーマンショックを経て、翌09年4月には95.7%へ低下。 東日本大震災の影響を受けた昨年4月、過去最低の91.0%へ落ち込んだ。

記事中の 男性が8〜9割 がちょっと気になって、警視庁発の資料を見たところ、昨年の150人で男は84%だった。 内訳は以下の通り。

19歳以下 20~29歳
7 119
2 22

こうして見ると、対策が必要な層ははっきりしてるよな。 でも、実際に対策の話になると、対象が 「若年男性」 ではなくて 「若者」 になるんだろう。 記事のタイトルが 若者 であるように。 これが男女逆だと、ほぼ確実に女性のための対策になるのだが。

それはそれとして、就職できなくて自殺ってどうよ。 人手不足の業界だってあるのだが、そっちが目に入ってないのか、薄給で苦労するぐらいなら死んだ方が楽という判断なのか。 それとも、ゆとり教育のせいで変な全能感が抜けないまま大人になって、初の挫折に耐えられなかったのか。

ま、増えたと言っても150人。 学生の9割以上が就職していることを考えれば、自殺したのは淘汰されるべき弱い人だったということなのかもしれないな。 彼等彼女等が自殺しなかった場合に社会が負担するコストは、自殺した場合に比べると圧倒的に多くなる気がするし。