2012 05 14

旅の終わり

共同通信の記事を見てちょっと驚いた。

重い拡張型心筋症を患い、心臓移植を受けるため渡米、入院した中学2年横尾洋君(13)が日本時間の12日午前5時すぎ、多臓器不全のため現地の病院で死亡した。 支援団体が同日、発表した。

両親らの呼び掛けで、3月下旬からの約1カ月間に目標を上回る約1億3000万円の募金が集まり、今月10日に渡米した。 ニューヨークのコロンビア大病院に翌日入院し、臓器提供者が現れるのを待ったが、日本時間の12日午前に容体が悪化。 回復しないまま亡くなったという。

横尾君は2歳で発症。体重が17~19キロで、子どもの心臓しか移植できない上、日本では子どもからの臓器提供がほとんどないため、米国での心臓移植を目指してきた。

両親は支援団体を通じ 「早すぎる旅立ちでしたが、たくさんの応援と励ましがあったからこそ、頑張ってこられたと思います。 後悔はしていません。 ありがとうございました。 洋のことをどうか忘れないでください」 とコメントした。

暫く前に高幡不動駅で募金を呼びかけていたのが、たぶんこの記事の子の手術。

募金の呼びかけを駅周辺で何度か見かけたが、それはそう長い期間ではなかったと思う。 察するに、国内でのんびり待っていられない状態となってしまって急いで募金を集めて海外に行ったが、結局間に合わなかったということか。

それにしても、あの短期間に1億3000万も集まるとはね。 それも募金という形で。 領収証が出る訳でもない募金という形は、今回のように手術前に亡くなってしまうような場合にも返金を想定しない、純粋にさし出すものだから。 いや、募金する側は、手術が間に合わなくて死んでしまうことを想定していないのかもしれないな。 手術の失敗は想像しても。

もし返金するとなったら、どうなるだろう。

渡航費用などの使用済みが仮に1割として、募金額の9割を、募金してくれた人それぞれに返金する。 それぞれの募金額は判らないので自己申告とする。

こんな風に返金するとしたら、いつかの肉の返金のように、1円も募金していない連中が多額の返金を求めて行列を作ったりするのだろうか。

そんな想像をしている俺は、募金せずに傍を通り過ぎるばかりだったんだけど。