2012 07 07

目が怖い

複眼

蝶の目。

複眼に浮かぶ斑点は、内部の模様が透けて見えるのか、それとも外部の反射なのか。 角度を変えたときに模様も変化することから、表面がこの模様になっているってことは無いだろう。 斑点に見えるってことは、構造色って訳でもないんだよな、たぶん。

子供向けの番組で、複眼で見た世界を、微妙に角度を変えた小さな世界の寄り集まりとして表現していることがあるけど、あれはどうなんだろう。 感覚的に伝わりやすい映像表現ではあるけど、嘘だよな。 小さな目がいくつあろうが、それを合成して一つの世界として認識しているだろう。 人が二つの目で見ていても一つと認識しているように。

まあ、子供の頃は騙されていたんだけど。 あんな小さな映像の寄せ集めでどうやって世界を認識するのだろうと不思議に思っていたのだった。 不覚。

そうそう、目と言えば、苛め自殺の大津市の市長が会見で涙目だったとか。

大津市のマンションで昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、同市の越直美市長は6日の定例会見で、事実関係の調査をやり直すことを決定したと明言、「早急に外部の有識者による調査委員会を立ち上げたい」と述べた。 市教委は事故直後、全校生徒対象のアンケートを実施したが、追加調査しないとしていた。

自殺問題を巡っては、男子生徒の両親が今年2月、いじめが自殺の原因だったとして、同級生3人や大津市などに約7720万円の損害賠償を求め大津地裁に提訴。 越市長は会見で、「これまでは事件の真実について法廷で明らかにされていくのだろうと思っていたが、裁判以前に事実関係の調査をやり直すことを決めた」と発言。 涙ぐみながら「自殺の練習は真実ならいたましい話。(1月の)市長就任後もっと早く調査に取り組むべきだった」と話した。

何を言おうが今更だよな。 というか、言えば言う程保身に走っているようにしか見えなくなるという逆効果。 しかし、直接関係していない市長が保身に走ることで直接の教育関係者が追いつめられるなら、それはそれで有りなのかもしれない。 肉を切らせて骨を断つ、みたいな。 まあ、肉も骨も他人のものなんだけど。

ところで、涙ぐんでいるのは、 「これ以上私を責めないで」 というサイン、いや 「これ以上で責めると本格的に泣いて、まるで質問する側が悪いように見せますよ」 という地味な脅迫だったりするのだな。

女は特にこれで逃げることを子供の頃から繰り返しているので、もうすっかり自然の反応になってしまって、自分でも気付いてなかったりするのだ。 で、 「興奮すると勝手に涙が出てくるけど、別に泣いて許してもらおうとか思っているわけではない」 なんて言ってしまう。 でも、泣いたら許してもらえるのが当然と思っているから、そんなことを言う一方で 「泣いてるのにまだ責めるなんて酷い」 と、そもそもの理由を忘れて怒りを溜め込んでいたりするのだ。 どうしようもないな。

と、少ないサンプルから人類の半分を決めつけてみた。

さて、こうした事件に対するコメントを見ると、けっこう残酷になる人が多いんだね。 今回の事件なら、雀や蜂を食わせろとか言ってしまう。 まあ俺もその口で、雀と蜂は食わせなきゃ駄目だろと思うんだけどさ。

これが一時的な興奮状態から出る言葉なのか、自分に理があると思ったら心理的抵抗が下がるのか。 なんか、後者じゃないかって気がするんだよね。 もっと言うと、心理的抵抗というよりは、もともと持っているけど普段は隠している攻撃性が露骨に現れる感じ。 ネットだと反撃を受ける可能性が少ないから、その辺がさらにエスカレートしてしまうんじゃないかと。

ま、だからどうってことも無いんだけどさ。