2013 01 15

産む機械

不妊治療ってのは、自分の遺伝子を持つ子供を得るためにやるものだと思っていたのだが、種がどうであれ産んでみたいってことなんだろうか。 その辺りの感覚は、産む側の性ではない俺にはさっぱり判らなんな。 時事通信の記事から。

不妊治療を行う医師や患者会関係者らが14日、東京都内で記者会見を開き、民間団体「OD―NET」(岸本佐智子代表、本部神戸市)を設立し、早発閉経などで卵子がない女性に卵子をあっせんする事業を始めると発表した。 卵子を匿名で無償提供するボランティアを募る。

卵子提供に関する法規制はないが、医学的なリスクや生まれた子の法律上の位置付けが明確でないとの問題も指摘されている。

提供者は子どもがいる35歳未満の女性、提供を受ける側は早発閉経や染色体異常で卵子がないと診断された40歳未満の女性とする。 高齢のため自身の卵子での妊娠が難しくなった女性は、当面対象としない。

提供を受けるには、仙台、神戸、京都、広島、北九州各市にあるクリニック5施設のいずれかで登録が必要。 卵子提供者が現れれば、同団体が登録者の年齢や不妊治療歴を考慮し、誰に提供するかを決める。

1年の間に無償での提供者が十分現れなかった場合、有償で提供を受けることも検討する。

やってることは代理母なんだよな。 産まれた子供の所属が違うだけで。 いや 「だけ」 って言うには、子供の所属は大きな違いなんだろうけどさ。

しかし、夫の精子と他人の卵子で出来た子供って、男からすれば連れ子で、女に取っては継子だよな。 それをわざわざ痛い思いをして産みたいとか、もうマゾとしか思えない。

これで子供が出来たとして、その先ちゃんと育てることが出来るんだろうか。 「痛い思いをしたのは私なのに」 「子供には私の血は流れてないのに」 なんて思いはだんだん濃くなって行くだろう。 で、夫には、ことある毎に恩着せがましい口をきいて関係を悪化させそう。 子供には、妙な引け目から甘やかし放題か、内心の怒りからやたら厳しくなるか、何れにしても駄目にしてしまいそう。

養子じゃ駄目なのか? 公平にどっちの血も関係無いし、母体(?)の危険もないし、よっぽど合理的だろう。

あと、これって、表向きはボランティアから提供された卵子が、実は貧しい国で娘の卵子を親が売ったものだった、なんてことになりそうな気がするな。 1年の間に無償での提供者が十分現れなかった場合、有償で提供を受けることも検討する って、提供する側に急ぐ理由は何も無いのだから、有償になるまで待つだろう。 というか、最初から有償じゃないと応募が無いのを見越した上での、それでも待ったというアリバイ作りにしか見えないのだが。

卵子提供者が現れてから 同団体が登録者の年齢や不妊治療歴を考慮し、誰に提供するかを決める というのも胡散臭い。 優先順位の決定方法をあらかじめ明示し、自分が応募した場合は何番目になるのかが誰でも判るようにしないと、提供された卵子の振り分けが利権になってしまうだろう。

利権で済めばまだマシか。 提供する側もされる側も実名開示を望まないこうした分野は、順番待ちのリストが実際と一致する保証はどこにも無いんだよな。 新しい詐欺のネタになるんじゃないだろうか。 永遠の2番目で、会費だけずっと取られるとか。