2013 10 28

徘徊

介護保険を適用するのに何をすればいいのか、介護保険で何が出来るのか、とりあえず話だけでも聞いておくかと、昼休みに包括支援センターに電話をしてみた。 そこで聞いた話によると、

  1. 包括支援センターの担当者が面談
  2. 市役所の担当者が面談
  3. 要介護度判定
  4. ケアマネージャーの選定
  5. ケアプラン作成
  6. 介護サービスの利用開始

という流れで、実際にサービスが利用できるようになるまでに1ヶ月ぐらいはかかるとのこと。 ということで、まずは面談の予約をする。 わざわざ施設までいかなくても、家にきてくれるのだそうだ。 ただし、対応できるのは平日の日中のみ。 まあ、お役所仕事なんだよな。

そうそう、要介護認定の前であっても、介護保険のサービスを利用することは出来るのだそうだ。 その後の判定で要介護/要支援とされれば、その等級に応じて1割程度の自己負担で済むとのこと。 逆に言うと、要介護/要支援とされなければ、かかった全額が自己負担。 うーん…

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6時頃、父から電話があった。

「家が分からんようになった」

買い物に出て、家がどこか分からなくなって、帰れなくなったらしい。

仕事帰りのバスの中だったのだが、幸いにも、もうすぐ降りるバス停に着くところ。 迎えに行くからそこを動かないように言い、一旦電話を切る。 で、バスから降りて再度電話。 どこに行ってどう歩いたかとか、周りに何が見えるかを訊くのだが、どうもはっきりしない。 「行ったのは家の前の店で、そこからちょっとしか歩いとらん」 とか、 「家のアパートの玄関の前におるはず」 とか、呆けた認識を基にした回答ばかり。 家の前に店は無いのだ。 このままじゃどうしようもないので、危険ではあるがちょっと歩いて電柱の標識か人の家の住所表示か、場所を特定できそうな何かを探してもらう。 で、電柱の住所表示と見えているアパートの名前を読んでもらい、交番でその位置を確認して、迎えに行った。 結局、家から直線にして200mぐらいの所にある別のマンションの前にいた。

きっと煙草が我慢できなくなって買いに行ったのだろうと思ったら正解だった。 煙草なんてもう8年ぐらい前に止めていて、呆ける前は人が吐き出した煙も嫌だとか言ってたのだが、呆けてここ10年ぐらいの記憶が曖昧になったのと同時に、嗜好も煙草を吸っていた時代に逆戻り。 吸わずにはいられないらしい。

なんか、ディスク障害が起きてバックアップから復旧したコンピューターみたいだな。 ローカル情報はバックアップ時の古い物だが、Evernote や Dropbox の内容は最新って感じで。

父が手にしている買い物袋は3つ。 煙草と酒と総菜、酒と総菜、スポーツ新聞と雑誌という中身。 財布の中にレシートがあったので時間を見てみたら、3回は別々に、しかし5分も間を置かずにしたものだった。 買い物をして、店を出て、何か忘れたような気がして店に戻り、戻ったときには何を忘れたのかを忘れて似たような物を買い、店を出て… を繰り返したのだろう。

家に帰った直後は帰れて良かったと言っていたが、3時間後にはもう記憶があやふやになっていた。

どうしたものかな。 外に出るなと言ってあるのだが、父の頭の中では

  1. 煙草が吸いたい
  2. 無いので買ってこなければいけない
  3. 家の前に店があるはず
  4. ちょっとだから外に出ても問題無い

となっているらしい。 要は、外へ出る言い訳が出来るように現実を捏造しているということ。 「家のすぐ前に店があるから買いに行く」 ではなく、 「買いたいから家のすぐ前に店があるはず」 なので、いくら危険性を訴えてもピンと来ないのだ。 家の前にいく程度のことなのに何故止められるのかという認識。

結局の所、買える金があるから買いに行くんだよな。 もう財布を取り上げるか。