2014 02 05

総力取材

もう隠せないと諦めたのか、佐村河内君はゴーストライターの存在を認めたそうだ。 毎日新聞の記事から。

「交響曲第1番 HIROSHIMA」で表現した核廃絶への思いや、「ピアノのためのレクイエム」に込めた東日本大震災の被災者を悼む心は「本物」 と信じたい--。 5日未明、被爆2世で耳の聞こえない作曲家として知られる佐村河内(さむらごうち)守さん(50)が突然、報道各社へのファクスで「楽曲 の作成は別人」と告白した。 だが「精神的な不調」を理由に詳しい説明はなし。 広島や被災地では失望の声が上がり、業界関係者らの間では怒りと戸惑いが渦巻いた。

広島市民賞の取り消しも

佐村河内さんは2008年11月、市民に夢と希望を与えた人物・団体を表彰する「広島市民賞」を受賞。 市秘書課は「事実であれば大変残念。賞の取り消しの可能性もある」と示唆した。

昨夏、佐村河内さん作曲とされる合唱曲「レクイエム・ヒロシマ」の上演に関わった広島県合唱連盟顧問の山本定男さん(82)=広島市東 区=は「本当ですか」と絶句。 自身が14歳の時に被爆しており「我々を欺いたことが許せない」と憤った。 「思いに共感したからこそ上演を手伝った。根底に は広島の思いを後世に伝えたいという純粋な思いがあったと信じたい」

また、「HIROSHIMA」を初演した広島交響楽団の井形健児事務局長は「クラシックの明るい話題ができたのに、どうしてこのようなことになったのか。残念でならない」と話した。 【高橋咲子、中里顕、黄在龍】

被災地「思い入れあった」

被災地への思いを込めた「ピアノのためのレクイエム」の初演コンサートは昨年3月10日、宮城県石巻市で開かれた。 津波で母を失った少女にささげられた鎮魂曲で、コンサートには佐村河内さん本人の他、この少女を含む約250人が参加した。

津波でかつての教え子を失い、演奏に涙を流して聴き入った石巻市の元小学校教諭、宝鈴子さん(58)は「思い入れがあり、感謝もしていた。せめてこの曲だけは偽りのないものであってほしい」と話した。

仙台市青葉区でピアノ教室を開いている女性(37)は「被災地を題材にしたNHKの特集を見て感動したのでショックだ。天才だと思ってい た。人気が出て、引くに引けなくなったのだろうか。それでも被災地への思いは変わらないと信じたい」と肩を落とした。 【平川哲也、金森崇之】

コンサート会場、CD店対応苦慮

佐村河内さんのCDを販売してきた日本コロムビアは「驚愕しており、大きな憤りを感じております」とのコメントを発表した。 「自身が作曲した作品」と説明を受けていたとしつつも「商品の発売元として責任を痛感しており、深くおわび申し上げます」と謝罪。 佐村河内さん名義のCD3枚とDVD1枚の出荷を停止し、インターネットなどでの楽曲配信も停止した。

タワーレコード広報室の担当者は「レコード会社が何か判断すれば商品を撤去することがあるかもしれないが、すぐに撤去することはない」と話した。

佐村河内さん関連の全国ツアーを主催、制作する「サモンプロモーション」(大阪市)の担当者は「当社主催の公演はキャンセルし、チケット は払い戻す予定。その他の公演も同様の措置になるのではないか」と話した。 4月11日に全国ツアーがある「東京エレクトロンホール宮城」(仙台市)の担当 者は「主催者からまだ連絡が来ておらず、寝耳に水の状態。どう対応すれば良いのか」と困惑していた。 【前谷宏、福田隆】

本人は

横浜市保土ケ谷区にある佐村河内さんの自宅マンション前には早朝から複数の報道陣が駆けつけたが、インターホンに反応はなかった。 代理人 弁護士が所属する横浜市中区の法律事務所は「現在対応できない。問い合わせについては質問状を送付してもらえれば電話で答える」と回答した。 【飯田憲】

関係者にとっては大変な問題なんだろうが、関係が無い俺には 「ふーん…」 で終わってしまう程度なんだよな。 中3から高校時代を広島で過ごして、被曝教育とか同和教育とかやたら多くてうんざりした記憶はあるけど、被爆地ということには特に思い入れはない。 そのせいか、HIROSIMAをちょっと聴いたときも特に良いとは思わなかったし、だから他の曲を聴いてみようって気にもならなかった。 これを耳が聞こえない人が作ったというのも、やっぱり 「ふーん… まあ、頑張ったんだろうね」 ぐらい。 その耳も、実は聞こえてるんじゃないかって話だし。

ところで、耳の聞こえない人が作曲するって、どの程度の大変さなんだろう。 生まれつきならともかく、音楽をやっていた人が大人になってから聞こえなくなったのなら、それ程大変ってことも無いんじゃないかって気がするのだが。 もちろん大変なことは大変なんだろうけど、例えば眼が見えない人がちゃんとした絵を描くことと比べると、その大変さはグッと軽いんじゃないか。 楽譜を見て音を脳内で再現することはある程度できるんだろうから。 絵で言うなら、像に絵を描かせるよりちょっと大変って程度じゃないかと。

それはそれとして、この記事でちょっと気になったのは構成と署名。

最初の一文以外は誰かのコメントばかりなんだよな。 で、そのコメントを羅列した後に記者の名前が入っているのだが、これが各段で違うだけじゃなく、同じ段落でも複数人の名前が連ねてあったりする。 広島に3人、被災地に2人、音楽商売に2人、自宅に1人。 毎日.jp の記事には複数人の署名が有るものが多いのだが、それでも総勢8人なんて見たことが無いような。

この人数はどうなんだろう。 力を入れているからなのか、無能な記者の吹き溜まりだからなのか。 各方面の支社が取材したのか、単に手分けして電話したのか。 芸能方面って、新聞はあまり力を入れないイメージだし、後者の組み合わせなんじゃないかって気がするな。