2014 04 06

国際司法裁判所で、南極海の調査捕鯨は学術調査とは言えないとの判決が下されたそうだ。 年間300頭もとってるんだから、そりゃそう言うだろう。 300って、素人には納得し難い数字だよな。 何かの統計を取るには少ないし、実際には鯨は増えているらしいし、取りたい側からすれば大したこと無い数字なのかもしれないけどさ。

そうそう、確か中学の社会の先生だったと思うが、クジラ漁を禁止する理由が 「牛肉を食べさせたいから」 だと言っていたな。 クジラの肉は、牛肉なんか比べ物にならない程美味しくて、だから鯨が自由に食べられるうちは誰も牛なんて食べないのだそうだ。

小学校の頃、鯨と言えばベーコン、ベーコンと言えば鯨だった。 鑞のような白い肉に赤い縁取り。 食べるとゴムのような食感だった。 嫌いな訳じゃないんだけど、進んで食べたいと思う程好きでもなかった。 たまにでてくる豚のベーコンは積極的に好きで、だからベーコンは全部豚になれば良いと思ってた。 実はそれがグローバルスタンダードだったんだけどさ。

クジラの刺身もたまに食べていたな。 鯨の刺身はいつも半分ぐらい凍っていて、口の中でシャリシャリしてた。 味はあんまり覚えていない。 不味くはなかったと思うが、これもまた進んで食べたいと思う程好きでもなかったと思う。 ただ、シャリシャリが当たり前になっていて、融けるとちょっと気持ち悪いとは思っていたな。

そんな、たぶん安物の鯨肉のサンプルしか記憶に無いので、先生の言うことがまるで響かなかったんだよな。 鯨の肉のステーキは最高で牛なんてもう比較にならないと熱弁していたが、彼はいったいどんな鯨と牛とを比較してたんだろう。 鯨漁の伝統がある和歌山南部だから、結構良い鯨を食べていたんだろうか。 ま、仮にそうだったとしても、どっちが美味しいなんて個人の好みでしかないんだけどさ。

肉になるまでにかけるコストが同じ程度の鯨と牛から、それぞれ最もよく食べられている部位の肉を取り出してステーキにしたら、人種・民族・文化によらず個人の好みを超えて、鯨の方が美味いと答える人が多い。

そんな調査結果でもあれば話は違ってくるのだけど、ただ美味いと言われても、ねえ。 アメリカやオーストラリアが牛肉を輸入させたいのは確かだろうけど、鯨の存在を障害と考えてはいなかったんじゃないだろうか。

しかし、これから食べられなくなるかもしれないと聞くと、ちょっと食べてみたくなるものだな。 子供の頃とは好き嫌いも結構変わってきているし、今食べたら鯨のベーコンや刺身も美味いと感じるのだろうか。 まあ、たぶん懐かしいってだけで終わるんだろうけどさ。

そんなことを考えながら 「鯨 ベーコン」 でググってみたら、意外にたくさんヒットして驚いた。 今でも売ってるんだね。 ちょっと高いけど。 たまに安いのがあると思ったら、産地が和歌山県沖ですよ、先生。