2014 09 19

北斎

時間調整のために今日は休暇。 なので、最近CMなどで目にすることが多くてちょっと気になっていた浮世絵を見に、上野の森美術館に行ってきた。 現在 ボストン美術館 浮世絵名品展 北斎 / HOKUSAI from the museum of fine arts, BOSTON として、ボストン美術館の収蔵品を展示中なのだ。

展示は、北斎の若い頃から晩年までの作品を一通り。 一通りと言っても春画は無かったけど、まあ、流石に上野の森美術館で春画は無いか。

だいたい時代に沿って見ることになるのだが、短い時間でざっと見ると、作風の変化が良く判る。 ちょっと印象が薄い普通の絵から始まり、西洋絵画の技法を取り入れて試行錯誤し、最後はまた和風に落ち着く。 その変化が、そのまま守破離って感じだったのが面白かった。

あと、立体工作セット。 ここに来て初めて、そんなものの存在を知った。 子供の玩具かな。 割と複雑な曲面を作るように部品分割されていたのが、ちょっと意外だった。

しかし最も印象に残ったのは、浮世絵の制作工程の説明。 絵師と彫師と刷師の分業であることを知識としては知っていたのだが、彫師がどう彫るか、刷師がどう刷るか、という実際の作業を見てしまうと、その後は何を見ても、頭に浮かんでくるのは彼等職人の苦労ばかり。

「見て、これ、彫師すごーい!」

「刷師も良い仕事してるよね。 この辺りのグラデーションとか」

なんてことに。 北斎はどこへ行ったのか。

そうそう、今回の展示品を収蔵しているボストン美術館だが、連れのお嬢さんが何年か前に行ったとき、浮世絵のコーナーは貸し出し中ばかりでガラガラだったそうだ。 今もそんな状態なんだろう。 で、そっちの客もきっと同じことを思うのだ。 北斎はどこへ行ったのか。

朝の空

朝、玄関を出て見上げた空は快晴。 雲が何となく浮世絵風だった。

地獄の門

同じ上野公園内というだけで、上野の森美術館とも北斎とも関係無い、国立西洋美術館の外に展示されている地獄の門。 待ち合わせの時間までちょっと間があったので、暇潰しに見てきた。

考える人って、単品で見るといろいろ難しいことを考えてそうだけど、裸の女だらけの門に配置された姿を見ると、碌でも無いことばかり考えてそうだな。

見ちゃ駄目だ、見たら勃っちゃう、見ちゃ駄目だ。

みたいな五七五。 詩人だし。

ああ、地獄って、意外にその辺りだったのかもしれないな。

すぐ後ろに裸の女達が大勢いるのに、彼女等に背を向けて座り続けなければいけない。 悟られないように俯いて横目で見ようとするも、下からこっちを監視してる奴が…。

そんな上野にも、とうとうデング熱がやってきたらしい。 時事通信から。

東京都は19日、都立上野恩賜公園(台東区)でデング熱に感染した可能性のある患者が確認されたと発表した。 都は同日午後、同公園で蚊の駆除を行う。公園の閉鎖はしない。

都などによると、感染したのは埼玉県の20代女性で、7日に上野公園の噴水池近くのベンチで蚊に刺され、13日に発症。 都内の医療機関を受診し、18日に感染が確認された。

感染者が出た代々木公園(渋谷区)や新宿中央公園(新宿区)に最近は行っておらず、海外渡航歴もないという。

新宿や代々木が危ないなら上野も危ないだろうと思ったけど、そこで俺が刺される確率は低いだろうという希望的観測の下に行って、実際に刺されなかった。 けど、もう暫くは行かない方がいいのかな。