2015 10 11

ミュンヒハウゼンの道

ひったくりのニュース。 時事通信から。

車いすの女性からショルダーバッグをひったくったとして、警視庁亀有署は11日、窃盗容疑で、埼玉県三郷市の無職少年(17)を逮捕した。 同署によると、少年は「金が欲しかった」と容疑を認めている。

逮捕容疑は9月16日午後3時ごろ、東京都葛飾区新宿の路上で、電動車いすに乗っていた無職女性(62)に背後から近づき、女性の膝の上にあった現金約5万円などが入ったショルダーバッグをひったくり、逃走した疑い。

亀有署によると、女性は、盗まれたバッグに携帯電話が入っていたため110番できず、同署を訪れて被害を届け出たという。

現場周辺では他にもひったくり事件が起きており、同署が関連を調べている。

こうしたニュースを見ると、つい車椅子の女性という分かり易い弱者が被害者であることに意識がいって 「酷い奴がいるもんだ」 なんて思ってしまうけど、相手がヤクザだったらひったくりが正当化されるって訳じゃないんだよな。 もちろんひったくりが悪いことが大前提で、その相手の選択がさらに悪いという話だってことは判ってるんだけど、でもこうした焦点の当て方や釣られ方を見ると、そんなだから弱者商売を成り立てせてしまうんじゃないかと思ってしまう。

例えば、この事件が報道されたことで被害者である車椅子の女性に同情が集まり、結構多くの人が寄付して、結果として被害額を大きく上回る収入となったとしよう。 今回はあっさり犯人が逮捕されたけど、もしも犯人が捕まってないなら、これはWIN-WINの関係になるんだよな。

同情の寄付に味をしめた被害者が、今度からはもう少しひったくられやすいようにして外出したり、でも期待通りにひったくられなくて痺れを切らして被害を捏造したり、しかしあっさりバレて逆に捕まったり、それで反省するでもなく 「あいつのせいで」 と最初の犯人に責任転嫁したり…

なんてことを、半笑いで想像したりするのだった。