2015 12 28

ラファエル前派

渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアムでやっている 英国の夢 ラファエル前派展 を見てきた。

これ、最初は見に行く気は無かったんだよな。 先々月だったか 風景画の誕生 を見に行った時に、次の展覧会としてパンフレットが置いてあったのを見たのだが、パンフレットに使われていた絵に描かれている人がみんなココリコの田中みたいな顔で、これはないと思って終わり。

だったのだが、昨日、展覧会のサイトで展示品の幾つかを見て気が変わったのだった。

ラファエル前派の 「ラファエル」 とは、ルネサンスの巨匠ラファエロのこと。 彼の登場以降受け継がれ押し付けられてきた芸風(?)に反発した若手3人が結成したのがラファエル前派だそうだ。

その3人とはダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ウィリアム・ホルマン・ハント、ジョン・エヴァレット・ミレイなのだが、展示してある作品からは目指す所が全く違うように見える。 ミレイは後に方向性の違いから離れたそうだが、絵を見ると、そりゃそうだろうと納得するぐらいの違い。 詰まるところ、押し付けは嫌だというその一点のみで集まっていたということなんだろう。

俺は、この3人なら圧倒的にミレイを推す。 ハントは評価できるほど作品が展示されてなかったので何とも言えないが、ロセッティは無い。

パンフレットに使われていたのは、次世代ラファエル前派と分類されることもあるジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの絵。 この世代は、他にエドワード・コーリー・バーン=ジョーンズやエレノア・フォーテスク=ブリックデールがいるのだが、その作品がみんなココリコ田中風。 なんで皆似ているのかと思ったら、ロセッティの元に集まって影響を受けた画家達だかららしい。 ロセッティも勿論ココリコ田中風。 他に受け継ぐべき点がたくさんあっただろうに、何故そこなのか。

以下、俺の中の上位ランキング作品。

良い決心 ジョン・エヴァレット・ミレイ
言われてみれば、確かに何かを決心したように見える。 それが何だか判らないが、離婚でも納得してしまいそうな雰囲気だったりする。 夫の本に自分のではない髪の毛が挟まっているのを見つけて決心したんだろうとか。
祈りの後のマデライン ダニエル・マクリース
女の子が可愛い。 寝室の描き込みが地味に凄い。 そんなことを思いながら解説を見たら、棚の中に男が潜んでいるとあった。 物語の中のシーンなんだろうが、その物語を知らずに絵だけを見ても、状況はさっぱり判らない。
テラスにて エドワード・ジョン・ポインター
女の子が可愛い。 背景の描き込みが良い感じ。 その背景は、実際の景色ではなく想像で描いた古代エーゲ海の世界なんだそうだ。 古代神殿風のロケーションはこの頃の流行りのようだが、全体的に明るいのは珍しいかもしれない。
ペラジアとフィラモン アーサー・ハッカー
女の人が綺麗。 瀕死の妹と、妹を探しに来た兄という状況だそうだが、どう見ても妹の方が健康そう。 今、この兄に声をかけたら、きっとこう言うんだろう。 「綺麗な顔してるだろ。 嘘みたいだろ。 死んでるんだぜ、それで」
翡翠の1

家に帰ってきたのがまだちょっと早い時間だったので、買い物に行くのをちょっと遠回り。 向島用水路沿いに歩いていたら、水車小屋の先に翡翠がいた。