2016 02 15

拘る男の…

夕方、父が通う介護施設から電話がかかってきた。 上着の下がシャツ一枚だったようで、施設に常備している服を貸してあるから、洗濯して次来る時に持たせて欲しいとのこと。

呆けてから服や持ち物に謎の拘りを見せるようになった父は、もう2週間ぐらい同じ服を着ている。 他の服を着るようにとホワイトボードに書いておくのだが連日スルーされるので、今朝はパジャマから着替える前にいつもの服を洗濯機に放り込んで、代わりの服を出しておいた。

視界に入る所にあれば着るだろうと思ったのだが、甘かったようだ。 たぶんいつもの服を探しているうちに介護施設から迎えが来てしまい、そのまま上着だけ着て行ったのだろう。 本人はもちろん覚えていない。 いつもの服がなかったことも、介護施設から服を借りていることも。

あの拘りは何なんだろう。 休日に、今から洗濯するから着替えるようにと言うと、普通に着替えるのに。

そうそう、パジャマもずっと同じものを着たがっていたのだが、先日、モコモコした生地の暖かいパジャマを買ってきて渡したところ、 「こりゃあ温いのぉ!」 と感動した様子で、拘りがあっさり新しいのに移ってしまった。 しかも、これまでは着替えるように言わないと着替えなかったのに、新しいのになってからは自主的に着替えるようになった。

これはこれで、ちょっと微妙な気持ちになるな。