2016 03 01

他人事じゃない

霰

ベランダの手摺は金属のパイプなので、強い雨の日は雨粒が当たってカンカンと音がする。 今日もそんな音が聞こえてきて、雨が降ってきたのかと思っていたら、その音がどんどん強くなる。 で、外に出てみたら霰が降っていた。

コンクリートに落ちた氷の粒はすぐに解けて消えるのだが、発泡スチロールに落ちたものはしばらく解けずに残る。 その様子に、発泡スチロールの断熱性能を再認識するのだった。

老人

呆け老人が線路に入って電車に轢かれて、JRから賠償請求された件の判決が確定した。 毎日新聞から。

愛知県大府市で認知症の男性(当時91歳)が1人で外出して列車にはねられ死亡した事故を巡り、JR東海が家族に約720万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日、男性の家族に賠償を命じた2審判決を破棄し、JR東海側の請求を棄却した。 家族側の逆転勝訴が確定した。

事故は2007年に発生。 男性が列車にはねられた事故で、JR東海が「電車に遅れが出た」として同居の妻や首都圏に住んでいた長男らに約720万円の支払いを求めた。

民法は、責任能力のない人が第三者に損害を与えた場合、代わりに親などの監督義務者が責任を負うとする一方、監督義務を怠らなければ例外的に免責されると定めている。

1審・名古屋地裁は長男を事実上の監督者と判断し、妻の責任も認定。 2人に全額の支払いを命じた。 一方、2審・名古屋高裁は長男の監督義務を否定したものの「同居する妻は原則として監督義務を負う」として、妻には約360万円の賠償責任があると判断。 JR側と家族側の双方が上告していた。

今回の場合に限っては、家族に賠償責任を負わせるのは無理があるだろうと思う。 奥さんもそろそろ介護が必要って状態だったらしいし。

しかし、呆け老人や知的障害者による被害が天災と同じ扱いでいいとも思わない。 じゃあどうすればいいという案も無いんだけどさ。

根本的な問題は無駄に長生きすることだし、呆けたら安楽死とかにすればいろんな問題が一気に解決するんだろうけど、まあ、やらないよな。

これ、逆に、呆け老人が易々と線路に入れるような杜撰な安全管理が問題だと遺族側がJRを訴えて、JRに対して遺族への賠償金の支払いを命じる判決がでたらどうだろう。 その後は 「事故」 が増えたりするんだろうか。 厄介者がいなくなって金も貰えると考える人たちの家族の。 いや、金なんかいらないから早く死んでくれと思っている人たちもいるだろうし、そうした人たちは今回の判決で 「事故」 の予感を感じてるのかもしれないな。

ところで、よく判らないのは 電車に遅れが出た という賠償請求の理由。

電車が遅れると、鉄道会社には何か損失が発生するのか?

理由が何であれ、電車が遅れても鉄道会社は利用者に対して何の補償もしないよな。 せいぜい遅延証明書を発行するぐらい。 鉄道会社内では、ダイヤの調整などをしなきゃいけなくなる手間はあるだろうけど、それだって何百万とかかるものじゃないだろう。

理由もなく遅れが頻発していたら、信用を失って利用者が減る可能性もあるだろうが、呆け老人が線路に飛び込んだってことなら、乗客もしょうがないと思うんじゃないか。 この方面からも、鉄道会社の損失にはならないだろう。

人を轢いたことで機械に生じた問題を修理するのに費用がかかるってことなら分かるが、記事の賠償請求の理由はそうじゃないからね。 まあ、記事に書いてないだけで、実際はもっと色々あるのかもしれないが。

そうそう、記事の信頼性で思い出したのだが、この記事の配信元である毎日新聞については、こんな話も。 Yahooニュースから抜粋。

日本人ムスリムが周囲との摩擦に悩んできた姿に焦点を当てた毎日新聞の年頭企画記事について、同社の社会部統括副部長らが2月21日、取材を受けた弁護士の林純子さんと会社員の女性に面会し、記者が事前に原稿を確認する約束を守らなかったことや取材に不十分な点があったことなどについて「誠に残念であり申し訳なく思っております」などと述べて陳謝した。

林さんは記事掲載直後にフェイスブック上で、事実誤認や意図と異なる表現が多々あり「非常に残念」と表明していた。 林さんらは日本報道検証機構の調査に応じ、取材時に言っていないことが本人の言葉や思いであるかのように記され、記事全体の印象が実態とかけ離れていると指摘。 当機構が質問状を出し、毎日新聞社による今回の対応に至った。 しかし、林さんらは「重大さを認識しているように思えない」などと同社の対応に納得しておらず、第三者機関「開かれた新聞委員会」での審議を求める意向を明らかにした。

まあ、今更だよな。