2016 03 02

転換

去年の事故 のその後。 時事通信から。

宮崎市中心部で昨年10月、軽乗用車が歩道を暴走し通行人6人が死傷した事故で、宮崎地検は2日、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪で、無職川内実次容疑者(73)を起訴した。 地検は認否を明らかにしていない。

地検は、昨年12月から今年2月14日まで実施した鑑定留置の結果などを踏まえ、刑事責任を問えると判断した。

この老人が癲癇持ちでありながら医師の指示通りに薬を飲まずに運転して事故を起こしたから、刑事責任を問えると判断したらしいのだが、それを書かないと記事の意味がほとんど無いだろう。 まあ、これが報道的人権感覚なんだろうけどさ。 記事がやたら短いのも、きっと書きたくないことが色々あるからじゃないかと勘繰ってしまう。

この事件、発生直後の産経新聞の記事では、最初の報道では癲癇持ちであることと、癲癇と自動車の運転について、さらに癲癇協会の主張も併せて、かなりの文字を使って書いていた。 その後の記事では癲癇の記述はぐっと減って、しかも認知症との並記になった。 そして最後には癲癇は消えて認知症だけになった。

この流れから、実際は認知症が原因なのに、産経が先走って癲癇が原因であるかのように書いてしまったかのかと思っていたのだが。

まあ、癲癇の薬を飲まなかったのが認知症のせいで忘れていたからだとすれば、癲癇が主原因といっていいのかどうかは微妙だけどさ。

ところで、原発反対の人がよく使うロジックが

どんなに安全に注力しても100%の安全はあり得無い。 わずかな危険性が残る。 そしてそのわずかな危険性が現実になると取り返しがつかない。

なのだが、この人たちは癲癇協会の言う 癲癇でも、正しく薬を服用すれば自動車の運転も問題無い なんて当然認め無いんだよな?

ちなみに、地元紙の宮崎日日新聞はこの件について、

持病のてんかんの影響で意識障害に陥る恐れがある状態で車を運転し、事故を起こしたとしている。

と書いている。 これはこれで 「地元じゃ既に知れ渡っている話だし、今更隠しても…」 みたいな判断なのかもしれないが、理由が何であれ、書いてるだけマシだろう。