2016 04 03

レオナルド・ダ・ヴィンチ

江戸東京博物館に レオナルド・ダ・ヴィンチ - 天才の挑戦 を見に行ってきた。

行く前から、きっと人が多いだろうと予想してはいた。 休日だし。 しかし、まさか看板の絵の前で40分も待つことになるとは思わなかった。 館内で行列とは。 実質一枚看板だったせいもあるのだが、それにしても人が集中し過ぎ。 普通、美術館の中は冷んやりしてて、女の人向けにストールの貸し出しがあったりするのだが、今日の看板絵 糸巻きの聖母 の前はちょっとむわっとしてた。

その他の展示は、正直微妙。

レオナルド・ダ・ヴィンチ本人の物は、作品というよりはむしろ資料といった感じの物が多い。 ノートとか。

いやノートはノートでいいのだが、せっかく文字がたくさん書いてあるのに説明があっさりで物足りない。 さすがにノートを全文飜訳しろとは言わないが、もうちょっとどうにかならないものか。 興味を引くような挿絵(?)があるので余計にそう思う。

しかしこのノートのお陰で、ちょっと親近感が湧いたりもした。 というのも、これらが学生時代の自分のノートみたいだったから。 俺も隙間があれば絵を描いてたんだよな。 隙間どころか、まだ使っていないページの中央に絵を描いて、後日その絵の上に板書を写したりとか。

挿絵ではなくてもっと絵画然とした絵もあるのだが、それらのほとんどはレオナルド・ダ・ヴィンチではなく、レオナルデスキと呼ばれる彼のフォロワーの作品や模写。

これが、デッサンやスケッチの模写だと技量の差はそう感じないのに、色を塗ると圧倒的にレオナルド・ダ・ヴィンチの方が上手く見える。 レオナルデスキの作品は、厳しい言い方をするなら劣化コピー。 公開処刑とまでは言わないが、本人の作品と並べられるのがちょっと可哀想なのもあった。

ただ、それらも資料的な価値はある。 例えば糸巻きの聖母は、オリジナルが何度か描き直されていたようだが、どこをどう描き直したのかが、違うタイミングで模写された作品群を見ることである程度見えてくるのだから。

模写されたのをレオナルド・ダ・ヴィンチ本人が見て、これじゃ駄目だと反省して描き直したってことはないよな?

そうそう、最後の方に展示してあったいろんな機械や工夫の資料は面白かったな。 川に橋を架けるとか、飛行機とか、現代目線だと失敗の予感しかしないのだが、それはそれでなんだか鉄腕DASHっぽくていい。

あと、レオナルデスキという言葉が、連れのお嬢さんの琴線に触れたらしい。 出てくるたびに 「あ、ほら、またレオナルデスキ♥」 なんて楽しそうだった。

「これ『レオナルド大好き』からきてるんだよ」

「なにそれ、日本語じゃん」

「きっとイタリアの田舎者だから『レオナルドでぇ好き』なんて言ってたんだよ」

「だから日本語じゃん」

と、俺の推測は全否定されてしまったが。 まあ、肯定されても… って話ではあるが。

江戸東京博物館

江戸東京博物館。 こんな形なのに、展覧会場は地下。

桜

入り口近くの桜は満開。