2016 09 10

朝の空

朝の空。

雲の隙間から差し込む光が印象的だったのだが、この手の景色はいつも写真に撮ってみると今一つ。 写真誌にはたまにこうした景色がすごく綺麗に鮮明に撮れているのが載っているが、あれはどうやって撮ってるんだろうね。

大黒亀虫

大黒亀虫(オオクロカメムシ)

大きくもないし黒くもないのに大黒亀虫。

まあ 「黒」 は、こいつらが黒亀虫の仲間に分類されるので目を瞑ってやってもいい。 でも 「大」 は無い。 こいつら、黒亀虫とだいたい同じかちょっと小さいぐらいなのだから。

昔の黒亀虫はみんなもっと小さかったのだろうか。 なんでこんな名前にしたのか、命名した奴に訊いてみたいものだ。

羽黒蜻蛉

羽黒蜻蛉(ハグロトンボ)

羽が黒いから羽黒。 疑問の余地が無い名前には好感が持てる。

ところで昆虫の羽だが、何がどう進化してこんな羽になったのか、まだほとんど判っていない。

化石で発見される昆虫の先祖と思われる生物の多くは体の横に突起があるので、これが進化の過程で変化して羽になったと思われる。

なんて 「思われる」 がいくつも重なった状態だったりする。 古代の突起と現代の羽の間を埋める化石が見つかっていないのも、思われる止まりとなっている要因の一つ。 見つかっている範囲の化石からだと、ある時突然羽の生えた昆虫が発生したってことになるらしい。

この仮説中の 「羽の元と思われる突起」 だが、それは鰓だったというのが、俺の中での定説だった。

外部と接触する面積を増やすために鰓が伸びる。 伸びた鰓をただ受け身でに広げておくのではなく自分で動かすことによって、より外部と接触する機会を増やす。 そうして自由に動かせるようになった鰓が、やがて移動手段としての羽になる。

そんな流れ。 羽の発生に対してはそれっぽいが、じゃあ気門はいつどうしてできたんだという疑問と結びつかないのが、この説の欠点なんだけどさ。 鰓が呼吸器としての機能を捨てる時には、他の呼吸器ができている必要があるのだから。 羽を動かすという激しい運動が作り出す廃棄物をより早く捨てるための排気口が、そのままガス交換の器官になったとか?

鰓ではなく表皮(殻?)の一部が伸びて羽になったという説もあるのだが、それじゃあ自由に動かせないだろうということで、俺の中では否定的扱いだった。

科学の世界は日進月歩。 俺が聞き齧ったのはもう随分前のことなので、最近はもっと研究が進んでいるかもしれない。 そう思ってちょっとググってみたら、面白い話がヒットした。

名古屋大学、信州大学、筑波大学、神戸大学との共同で行われ、Evolution and Development誌に2010年3月17日付けでオンライン発表された Evolutionary origin of the insect wing via integration of two developmental modules がそれ。 論文は英語だが、要約(?)の日本語版が理化学研究所のサイトで見れる。 日本語のタイトルは、 2つの起源が出会い,翅が生まれた となっている。

昆虫の体に生える足も触覚も羽も付属肢(大雑把にいえば動く突起物)として一括りにされるのだが、この付属肢を発生させる遺伝子がある。 これとは別に、体の側面背中側で主に働く、羽っぽい形を作り出す遺伝子がある。 付属肢を発生させる遺伝子が、何かの拍子に羽っぽい形を作り出す遺伝子と同じ場所で働いたことで羽ができたというのが、論文の要旨。 対立していた二つの説を統合する形になっているのが面白い。

これ、もっと研究が進んで遺伝子の発現を自由にコントロールできるようになると、羽と足の位置を入れ替えたり、羽の無い虫に羽を生やしたりできるようになるのかね。 まあ、研究者はきっと仮説の検証と称してやるんだろうな。 さらに、そうして作られた結果が後世にどう伝わるかの実験も。 そして冷静と情熱の間。

「芋虫の足を全部背中側から生やしてみました」

「それ、顔だけ反転させた方が早くないですか?」

「え? あー… あ、いや、そういう話ではなくてですね」

「でも今ちょっと納得しそうでしたよね?」

ナウシカの世界の昆虫が見れるのも、そう遠くない未来なのかもしれないな。

カープ優勝

カープがセリーグ優勝。 25年ぶりだそうだ。