2016 09 18

地中の暴威

先日、僅かに残っていたがグラグラだった上の歯を抜いて、上側は総入れ歯になった父。 テレビのCMなんかで随分と不便なイメージがあった総入れ歯だが、これが意外にフィットして良い感じのようだ。 ボロボロの歯のためにうっかり前歯で噛むと凄く痛いということは、呆けていても体が覚えているようで、何かと奥歯で噛む癖がついていた父。 入れ歯にしてからは、その癖がだんだん矯正されてきているように見える。

幸か不幸か、残っていた歯がほんの僅かだったせいで、これまで使っていた部分入れ歯は 「部分」 じゃなくて 「ほとんど」 という方が自然なぐらいのもの。 新しい入れ歯と形の違いが少なくて、父はすんなりなじんで使っている。 呆けると変化に対応できなくなるからか、これまで使っていた物に強く拘り新しい物を使おうとしないことが多いのだが、入れ歯については杞憂だったようだ。

これで入れ歯洗浄剤と入れ歯安定剤が自分で使えるようになってくれればもう何の問題も無いのだが、そこまでは無理らしい。 言わなきゃ入れ歯を外して洗うことはしないし、再度装着するときに安定剤を付けることもない。 洗うのは言えばできるが、安定剤は何をするものかも判らないないらしい。 まあ、それがアルツハイマーらしいアルツハイマーなんだけどさ。

アルツハイマー

言葉の響きは、必殺技か特殊能力者みたいでかっこいいんだけどね。

さて、父が歯の痛みで食うのに困っていた頃、ベランダのベゴニアの鉢では丈夫な歯で困らせてくれる奴らが密かに増えていたらしい。

黄金虫

それがこいつら。 黄金虫の幼虫。 クソガキ共だ。

先日、夜中に風の強かった翌日の朝、いつものように水をやろうとベランダに出てみたら、ベゴニアが株ごと鉢から落ちていた。

落ちたことそれ自体は強かった風のせいだと思うが、落ちたベゴニアをよく見ると妙に根が短い。 短いどころかまるっと無くて、茎がぶっつり途切れているようなところもあった。 これじゃあ風に吹かれて落ちるのもしょうがないと納得せざるを得ない惨状。

そのときは忙しかったのでそのまま鉢に戻して放置だったのだが、今日は休日。 きっと根を食い荒らす何かがいるんだろうと睨んで鉢の土を掘り返し、こいつらを発見。 根刮ぎ(ってのは俺がこいつらにやられたことが文字通りなんだけど)捕まえてやった。 その数およそ30匹。 全て浅川の河原に追放。

ベゴニアは、元気良さそうな部分を選んで土に挿してみた。 根付いてくれれば良いのだが。