2016 11 06

蜂の巣

徳利蜂の巣

たぶん徳利蜂(トックリバチ)或いは泥蜂(ドロバチ)の巣。 浅川の土手の階段で見つけた。

徳利蜂はこの巣を作ると、内部に卵を産みつけ、幼虫の餌となる芋虫を捕まえて巣の中に入れ、満杯になったら蓋をする。 芋虫は麻酔された状態で、生きてはいるけど動けない。 卵から孵った幼虫は、この芋虫を食って育ち、蛹になって、羽化して、巣立っていく。

動けない芋虫に意識があるとしたら、いったい何を思い何を感じるのだろうか。

単純に考えれば恐怖と苦痛だが、実は凄い快感を感じているのかもしれないな。 むしろ日々ちょっとしか食べられないことが不満な状態なのかも。 やめないで! もっと食べて! なんて。

更に凄いのは、このタイプの蜂限定で寄生する昆虫がいること。 ある種の蝿は、蓄えられた餌を先に食って育つ。 ある種の蜂は、徳利蜂の幼虫を食って育つ。 いずれも、徳利蜂の親が餌を探しに行っている隙に巣に侵入して、卵を産みつけるのだ。

昆虫の世界もなかなか大変だが、物理的に食うのではなく経済的/精神的にであれば、似たような状況は人間社会でもありそうだな。 子供のために蓄えていたはずが、気がつけば何も無いとか。 実は食われているのに、そうと知らず、或いはそうと知っていても快感で止められず、自ら食われに行くとか。