2017 05 03

根津美術館

連日の美術館巡り。 今日は根津美術館に 燕子花図と夏秋渓流図 を見に行ってきた。

展示はタイトルの通り、尾形光琳の 燕子花図屏風 と、鈴木其一の 夏秋渓流図屏風 がメインなのだが、これが良かった。 圧倒的だった。 他の展示品の印象がすっかり霞んでしまうぐらい。

展示室に入る通路の奥正面にまず燕子花図が見えるのだが、漫画ならここで 「ドン!」 と描き文字が入る勢いの存在感。 続く夏秋渓流図でまた 「ドン!」 とくる。

同じ様に感じる人は多いようで、展示室に入ってきたところで 「おぉ…」 とか 「わぁ…」 とか声を上げる人が結構いた。

燕子花図は、金一色の背景にいきなり群れ咲く燕子花の絵。 地面とか水とか一切無し。 色鮮やかな花が咲いているのを見た時に、そこに花があるというよりも、花の形に空間が切り取られているように見えることがあるのだが、その感覚をより先鋭化した感じ。

夏秋渓流図は、タイトル通り夏と秋の渓流の絵。 こちらも写実と省略が大胆に組み合わさっているが、見所は水の表現だと思う。

あの樹はいったい何色に見えるかね。 多少赤みがかって見える? よろしい、それなら画面には真赤な色を置きたまえ。 それからその影は? どちらかと言えば青みがかっているね。 それでは君のパレットの中の最も美しい青を画面に置きたまえ。

ゴーギャンはセリュジエにこんな風に指導し、その結果、ナビ派が誕生したのだそうだ。 昨日見たナビ派展に解説があった。 彼らに、この青と金を見せてみたい。

この日、メインの展示室は日本画や着物の展示だが、ちょっと小さめの展示室が他にも4つぐらいあって、そちらでは中国古代の出土品、仏像、茶道具などが展示してあった。 これもなかなか良かったな。 殷の時代の青銅器、あの饕餮文が俺は好きなのだが、それがここでじっくり観れるとは思わなかったよ。 古代中国の青銅器はどうやら常設しているようなので、近いうちにまた行きたい。

根津美術館は庭も売りで、今ちょうど燕子花が見頃。 というか、燕子花が見頃のこの時期にいつも燕子花図の展示をしているらしい。 ということで、庭も回ってみた。

根津美術館の1

藤棚。 逆光で雰囲気が全然伝わらないが。

根津美術館の2

燕子花の池に続く道。

根津美術館の3

釣鐘?

根津美術館の4

燕子花は今が盛り。

根津美術館の5

池一面の燕子花の図。

根津美術館の6

象? 灯篭?

何だか判らないが、道行く人の注目を集めていた。