2017 06 04

無限の瞳

時計のベルトの留め金が片方壊れている。 もう片方が無事なので使えてはいるのだが、ちょっとしたことで外れることも多い。 買ったのが2001年だから、今年でもう16年。 壊れてもおかしくは無いか。

で、この際だから新しいのを買うのもいいかと時計屋のサイトを見てみたのだが、高いんだね。 って今更なんだけどさ。 ちょっと良いなと思ったら18万だよ、CITIZENのくせに。

いや、CITIZENだからこの値段でできてるのかもしれないのか。 同じ機能性能でロレックスだったら、桁が違うのかもしれない。 でも18万はなぁ…。

ところで、CITIZENもSEIKOもそうだが、シリーズ(ブランド?)のトップページは黒が基調になっている事が多い。 たぶん時計の金属光沢をより効果的に見せるためだろう。 一瞬真っ黒になり、そこにふわっと時計が浮かび上がるとか、よくできていると思う。

が、特に夜は、真っ黒になった瞬間に自分の顔が映って興醒めだったりする。 こんなおっさんに高い時計はいらないだろうと思ってしまう。 自虐的になるというか、我に返るというか、まあとにかくちょっと冷める気がする。

なんで冷めるのかと考えるに、普段自分の顔を鏡で見るときは身構えているからなんだろう。 見ようと意識して鏡を見るときは、きっと無意識に良い顔をしているのだ。 その顔ばかりを見ているから、自分の顔を見ようと意識していない、謂わば油断した顔をディスプレイの中に見てしまって冷めるのだ。 そこで 「誰これ素敵!」 となるナルキッソスみたいな人もいるのかもしれないが、普通の人はマイナス方向だよな。

さて、鏡に自分の顔が映るとは、顔に当たって反射した光が鏡に当たってまた反射して目に入ること。

このとき、瞳の表面でまた数パーセントが反射されるので、鏡側から見ると、瞳に顔が映っているのが見えるはず。

この状態が鏡に映るので、瞳に自分の顔を映した自分の顔が瞳に映ることになる。

この状態が鏡に映るので、瞳に自分の顔を映した自分の顔を瞳に映した自分の顔が瞳に映ることになる。

この状態が鏡に映るので… と繰り返し。

鏡の中の自分の数を数えると、

この繰り返しを一般化するとこうなる。

X0 = 1 Xn = 1 + 2Xn-1

直接計算できる形だとこう。

Xn = 2n+1 - 1

ここで鏡と顔の距離を50cmとしよう。 顔で反射した光が鏡に反射して顔にまた戻ってくるまでの道のりは1mとなる。 光の速さはおよそ300000km/sだから、上のステップを1秒間に3億回繰り返すことになる。

その結果、鏡を見てから1秒後の鏡に映る顔の数は、

2300000001 - 1

Macの電卓で計算してみたら 「数値ではありません」 と言われてしまった。 だいたい2の225乗ぐらいで無量大数のオーダーになるので、3億1乗なんて大きすぎて見当もつかない。

もちろん減衰するし小さくなるしで、俺の視力だと3ステップ目はもう確実に見えないんだけど、それでも、だ。 なんとなく見ている鏡の中に全人類の数よりも多い自分の顔があるってどうよ。 しかも目を逸らした瞬間に、それらが全部消えるのだ。

まあ、だからどうってこともないんだけどさ。

黄斑挵

黄斑挵(キマダラセセリ)

セセリチョウの 「セセリ」 は、小刻みに突くとかほじくり返す動作を示す 「挵る」 からきているのだそうだ。 そういうときに使う道具に形が似ているからだろうか。

水木の1

水木(ミズキ)

駅の裏の神社で咲いていた。

水木の2

水木全景。

春先の頃は樹木の内部に大量の水を吸い上げていて、枝が折れるとそこから水が滴り落ちることから、水木という名前がついたとか。