2017 06 09

異邦の至宝

KITTE

東京駅の隣のKITTE内にある博物館 INTERMEDIATHEQUE に行ってきた。 現在 ケ・ブランリ・トウキョウ 「異邦の至宝――砂漠の民のトライバル・ジュエリー」 を開催中。

これ、普通の展覧会だと思って行ったら、一応展覧会ではあったのだと思うが超小規模だった。

第五回ケ・ブランリ・トウキョウでは、マグレブ及び中近東の宝飾品コレクションを展示します。

INTERMEDIATHEQUEのサイトにはこう書かれていて、この 「コレクション」 という言葉から、以前見に行ったブルガリ展のようなものを想像していたのだが。 実際は博物館の中の一画のみ。 8畳程度の狭い空間に5体ぐらいのマネキンがいて、展示品を着せられていた。

展示品は北アフリカの伝統的な装飾品で女性が身に付けるものらしい。 たくさんの小さな金属板(?)が金属の輪で繋がれていて、その金属板は植物をモチーフにしたと思われる模様や幾何学模様で埋め尽くされ、その幾つかには宝石が埋め込まれていた。 物理的な防御と呪術的な防御を兼ね備えたアフリカの鎖帷子という風情。 結構重そう。

デザインは異国情緒豊かでいいのだが、加工の技術や精度は若干荒い。 これが時代相当なんだろうか。 宝石の位置が間違っていると思われるものが一つあったが、どうなんだろう。 呪術的な意味が何かあって、どこか一箇所だけ逆にするものだったりするのだろうか。

とまあ展示品に対する不満は無いのだが、だからこそもっと数があって欲しかったな。 入場無料だと、このぐらいが限界なんだろうか。 扱いがちょっと雑なのも気になった。

INTERMEDIATHEQUEは東京大学の博物館だそうだ。 狭いビルの中とは思えない広さで、展示品も多い。 というか雑多。 およそ2/3が骨格標本と剥製で、あとは鉱物とか何かの器具とか。 全部見るとかなり時間がかかる。 ただ、どれも状態は微妙。 標本はどこかしら壊れているものが多いし、ホルマリン漬けが半分ホルマリンから出てたりするし。

「見てこれ、どうなの? いいの?」

「いや、駄目なんじゃない?」

連れのお嬢さんと何度そんな話をしたことか。

でもそれはそれでよし。 俺は博物館が好きなのだ。 ピカピカだろうが寂れてようが博物館は博物館だし。 まあ、せめて借りてきた物は丁寧に扱ってほしいけど。