2018 04 11

東北の桜は今が盛りらしい

花見の場所取りは公然と行われているが、最近では花見に行くために乗る電車の場所取りも行われているらしい。 J-CASTニュースから。

宮城県内のJR東北本線で、電車の中の座席の上に老人クラブのグループ名で「席をお譲り下さい」との置き紙があったと、ツイッターで疑問や批判が相次ぐ炎上状態になっている。

花見に行く予定のグループの一行が、乗車駅の手前の駅から席を確保するのが狙いだった。 批判を受けたこのグループが所属する仙台市老人クラブ連合会は、「ホームページ上で謝罪文を掲載する準備をしています」とJ-CASTニュースの取材に答えた。

「次の駅から、敬老者が16名乗車します」

同連合会の事務局長によると、グループのメンバー1人が電車内に置き紙をしたことを認めた。

置き紙は、座席の座部に載せてあり、A4判ぐらいの白い紙に大きな字で印刷されていた。

「次の駅から、敬老者が16名乗車します」。 置き紙には、こう書かれており、前の駅で乗ったグループのメンバーが座席に貼り付け、「場所取り」をしたらしい。

最後に、「伊達なクラブ」という仙台市老人クラブ連合会の別称、そして、その中のグループ名が書かれていた。

メンバーらが乗ったのは、4月9日午前9時台の電車だといい、60代のメンバー1人が仙台駅で乗って、16座席に置き紙をした。 次の長町駅でほかのメンバーが乗り、お花見をするため大河原駅で降りた。

このメンバーは、ほかのメンバーに80代ぐらいの高齢な人が多いため、気を使って席を確保したのではないかとした。 ほかのメンバーは、置き紙をすることは知らなかったという。

一方、ツイッター上の投稿によると、電車の中は当時、宮城県大河原町内の花見名所に行く乗客らで混雑しており、乗客は、置き紙のある座席に座らず、立っていたという。 電車の車掌が回って来て、グループのメンバーに注意したともいう。

これらの点について、連合会では、車内が混雑していたか、車掌に注意されたかは、まだ確認が取れていないとしている。

「いくら高齢者でも、このような行為は問題」

グループメンバーらの行為について、ツイッター上などでは、なかなか席を譲ってもらえない事情があるのでは、健常者目線で物事を判断しない方がいい、といった指摘が出た。

しかし、「これはないわーーー」「勝手な人たちだな」「恥ずかしいと思わないのかな?」「この行為では敬われないと思うが」などと疑問や批判の方が多い。 「座りたきゃ指定席買いなさいって思ってしまいます」「ここまでするならバス貸切にすればいい」といった声も出ていた。

連合会の事務局長は、

「誰でも自由に座れる場所ですので、いくら高齢者でも、このような行為は問題があると思います。 車内のルールを守る必要があり、紙を置いた会員を指導し、ほかの会員にも周知するつもりです。 ホームページ上でも、謝罪文を掲載する準備をしています」 と語り、謝罪した。

こうした行為は、過去に聞いたことはないという。 事務局には、お叱りの電話やメールが数件来ていることも明らかにした。

JR東日本仙台支社の広報担当者は、「特にお知らせする内容ではないと考えています。調べる予定はなく、お答えすることはございません」と取材に答えた。

記事中の 「メンバー」 にちょっと笑ってしまった。 お前らは不祥事起こしたジャニーズかと。

場所取りしたメンバーは、仲間内ではたぶん優しい人とか気が効く人とか率先して行動してくれる人という評判なんだろう。 問題は、そうした気遣いに方向性があること。 その人の気遣いは、その人が仲間とか目上とかと認定した人にしか発揮されないのだ。 そうした人たちは、自分がする気遣いを方向性込みで当然のことと思っているから、だから格下認定した人からは自分も気遣われて当然と思っているのだな。 わざわざ紙を置いたのも、なってない最近の若者に教えてやったぐらいに思っていることだろう。

あの紙が置いてあったせいで、米寿のお祝いを兼ねて花見にでかけた祖母が座れませんでした。

たとえばこんな、自分が気遣いするのと同じ方向に被害者がでて初めて 「あれ?」 と思うのだが、その一瞬の疑問はすぐに 「老人を敬うように、わざわざ紙を置いて教えてやっているのに、他の乗客は何をしてたんだ?」 と違う方向に向いてしまうのだ。 何か気付いたり反省したりはしない。

というのがまだ好意的な解釈だったりする。

なぜ場所取りをしたのか。 それはもちろん混雑するからで、混雑しないならわざわざ場所取りする必要は無い。

じゃあ、混雑するけど年寄りが来たら快く席を譲ってくれる人たちばかりだったらどうか。

このメンバーはきっと場所取りするのだ。 このメンバーにとって、自主的に席を譲られることに意味は無い。 大事なのは 「自分が譲らせたこと」 なのだから。 だからこそ、場所取りは混雑する電車でやる必要があるのだ。 周囲が混雑している程、獲得した席の価値は上がるのだから。

これだけ混雑している中、一駅も前から無駄に、これだけ多くの人を押しのけてやった。

そんなある種の達成感と優越感。 仲間へのアピールと仲間からの賞賛。 そんなものが動機だったんじゃないのかね。

うん、まあ、半分ぐらい自己紹介なんだけどさ。

ところで、花見の場所取りは許されているのに、電車の場所取りが許されないのはなんでだろうね。 実害の有無だろうか。

花見って、看板は花だけど、実際は花なんてどうでもいいんだよな。 場所取りしている連中は、なんでもいいから集まって呑みたいだけ。

純粋に花を見に行く人もいるが、そうした人たちはだいたい移動しながらあっちこっち見ていて場所を取らないし、場所取りしている花見客は若干邪魔ではあるものの、それも花見の賑わいとして受け入れている。

要するに、花見の場所取りには実害がほとんど無い。

これに対して電車の場合、まだ乗って無い人のために今乗っている人が座れないという実害がある。 いやもちろん混んでたなら座れない人もたくさん出てくるけど、それは皆が順番を守った結果として受け入れられる。 場所取りは、順番を守った上で座れるはずの人が座れなくなっていて、これが実害。 守るべき鉄の秩序を乱しているのだ。

件のメンバーも、前の駅からの席取りではなく、他のメンバーが乗ってくる直前に周囲の人に席を譲ってほしいとお願いしたなら、ここまで批判はされなかったことだろう。 でもきっと、格下相手に 「お願い」 なんてできないんだろうな。