2018 08 17

フランスの宝石

三菱一号美術館に宝石を見に行ってきた。 現在 ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界 を開催中。

夏休み中ということで覚悟はしていたが、人は多かった。 きっと平均年齢高めだろうと思っていたが、意外に若い人も多かった。

宝石は良かった。 キラキラが凄い。

ショーメはナポレオンの時代から続く有名宝石店/工房だそうで、展示品もその時代から現代に至るまでと幅広い。 当然、それぞれの時代にそれぞれの良さがあるのだが、俺が良いと思うのは割と新しい時代の方が多かった。 加工技術が優れているのはもちろんで、それも俺の中ではポイント高いのだが、デザインセンスが新しい時代の方が馴染む。

しかし時代に連れて幅が広がったせいか、現代アート的な迷走が感じられるものもちらほらあった。 海藻と蛸のネックレスとか、なぜこれをネタにしようとしたのかって、ねえ。

アジアンテイストも微妙。 ヨーロピアンには新鮮なのかもしれないが、そのテイスト(の名残)の中で生活している俺には、どうしても劣化コピーに見えてしまう。 もっと自分たちの伝統を守った方がいいんじゃないのかね。 って、日本人に言われたくはないか。

デザイン画も展示されていた。 デザイン画は予想外に緻密で、これを描く専門の職人がいるんじゃないかと思うほど。 実際どうだったんだろう。 それなりに大きな工房だと、営業と設計と製造で分かれていたりしたのかな。

中にはデザイン画やモックと完成品の本物を同時に見れる構成になっているところもあって、これがまた良かった。 完成品がデザインに割と忠実に作られていたのに、ちょっと感心したよ。 もっと大雑把に 「この辺りは思いっきりキラキラさせて、こっちはぐっと沈めて、ここにドーンと大粒のダイアを」 みたいな感じかと思ったら、いきなりほぼ完成イメージだからね。

システム屋のカオスで一時期バズったこれらの違いは、少なくともショーメでは、そう大きくはなかったんじゃないだろうか。 あのデザイン画やモックを見ると、そんな風に思えてくる。 まあ顧客が王様だったりすると、顧客が本当に欲しかったものを外しちゃうなんてあり得ないんだろうけどさ。

そうそう、展示品の最初もこのパターンで、教皇の帽子(解説ではティアラ)のデザイン画とその本物が並べて展示してあったのだが、これはデザイン画と実物に結構違いがあった。 で、連れのお嬢さんと 「あっちこっち違うよね?」 なんて話してたら、横にいた警備員が 「3回ぐらい改修されてるんですよ」 と教えてくれた。 美術館で、学芸員じゃなくて警備員に解説されたのは初めてかもしれない。

展示品で一番多かったのはティアラだが、他にもブローチやペンダントなどが多数展示されていた。 壺もあったな。 あとは肖像画が数点。

それらの中で、俺が一番いいと思ったのはストマッカーブローチと呼ばれるものの一つ。 キラキラは控え目だが、ジョジョの奇妙な冒険に出てきそうなデザインに惹かれる。

展示品だけじゃなくて、その解説にも金がかかっているように見えたな。 説明のプレートが金属っぽい質感で、説明の文字は印刷じゃなくて刻んでるようだったし。

その解説の中にマリ=エティエンヌ・ニトという名前がちらほらあった。 有名な職人らしいが誰だろうなんて思っていたら、ショーメの創始者だった。 この人が作ったのを、後にショーメが継いで改名したのだとか。 この辺りの詳しい記述が無かったのは、綺麗な継承じゃ無かったからだろうか。 まあなんでもいいが、マリ=エティエンヌ・ニトって、ちょっとマリー・アントワネットに似てるよな。

展示されている宝飾品は素晴らしいものばかりだったが、照明は見直してほしい。 ティアラやブローチのメインとなる大きな石に光が当たってないとか、展示品にもうまるっきり光が当たっていないものもあったし。

多分最初から駄目だったんじゃなくて途中でへたってきたんだろうが、宝飾品の展覧会で光が当たってないって致命的だからね。 その辺は日々ちゃんとチェックしてほしいものだな。

ついでに言うなら、せっかくのキラキラなのに、ライトを一方向からに固定するのはもったいない。 できれば見る側が照明をコントロールできるのがいいが、それは無理としても、展示台が回転するぐらいの事はできないものか。 やってくれるなら、入場料をもうちょっと払ってもいい。

あと、用語に知らないものが多かった。 エグレットとかストマッカーとか、展覧会のあとで調べてようやく何だか判ったよ。

ティアラ

写真撮影可のコーナー。 この倍ぐらいの展示品があったのだが、しかし写真を撮らせる気があったのかは疑問。 こんな暗い中で、しかもほとんどの人がスマートフォンで撮ってるのに 「立ち止まらないでください」 だからね。

まあ何もしなければ絶対に渋滞するポイントだし、運営側の対応としては、立ち止まらないように声をかけるのは正解なんだろうけどさ。

三菱一号美術館

美術館の屋根。 割と好き。

KITTE

何か食べようと入ったKITTEに土俵が作られていた。

KITTE場所

KITTE場所だそうだ。

土俵が安っぽく見えたので子供用だろうと思っていたのだが、どうやら本物の力士が来ていたらしい。 見逃したのはちょっと残念。