クマムシマン
漫画 テラフォーマーズ に出てくるバグズ手術、その発展形であるM.O.手術は、もう空想の話ではないのかもしれない。 Livedoor News から。
極度の高温や低温にも耐え、秒速825メートルで射出されても生き残ることが報告されているクマムシは、高線量の放射線にさらされても生き延びることができるとされています。 中国の軍事医学研究者チームが、クマムシの遺伝子を人間の幹細胞に挿入し、放射線に対する耐性を大幅に増加させたことが報告されています。 研究チームはこの実験の成功によって、核兵器による放射線に耐えることができる 「スーパーソルジャー」 の開発につながる可能性を提示しています。
テラフォーマーズの舞台は西暦2599年。
あれは漫画だから漫画映えのために人体を蜂にしたり蛸にしたりするが、実際にバグズ手術やM.O手術をするなら、人の形を保ったままで特殊能力を発揮させることになるだろう。 赤外線が見える。 超音波が聞こえる。 皮膚の色を変えられる。 息を長く止められる。 反応速度を上げる。 筋力を上げる。 低温に耐えられる。 高圧に耐えられる。 発電する。 等々。
そんなのが想像よりもずっと早く実現できるかもしれない。
なんて期待もしつつ、実験してるのが中国であることも考慮して、今回の実験とその成果について考えてみよう。
放射線がなぜ有害なのか。 それは遺伝子を傷つけるからだ。 放射線が直接傷つける場合もあれば、放射線が細胞内の水と反応して活性酸素を生み出し、これが遺伝子を傷つける場合もある。 遺伝子は、傷が小さければ自己修復するが、自己修復が追いつかないぐらいに傷ついてしまうと、機能不全や突然変異を引き起こす。
よって、放射線に強くするには、大きく三つの方向が考えられる。
- 放射線が当たらないようにする。
- 放射線が当たっても傷付かないようにする。
- 放射線が当たって傷付いても自己修復できるようにする。
人の千倍以上の放射線耐性を持つクマムシだが、こいつらの放射線対策は1と2の複合タイプ。 放射線に対して強いタンパク質を作り出し、それを染色体に組み込むことで構造的に壊れ難くするとともに、遺伝子を放射線から守る盾にもする。 確かそんな感じだったはず。
こんな能力を、とりあえず入れてみたってレベルで発現させることができるだろうか。
記事によると、やったのは
クマムシの遺伝子を人間の幹細胞に挿入
であって、人の遺伝子に組み込んだのではない。
挿入したのも遺伝子と書かれてはいるけど、実際は染色体を適当に切り出したものだろう。
つまり中国の研究チームが作り出したのは、細胞内に漂うクマムシの染色体の欠片が、人の遺伝子を放射線の直撃からガードしている状態ではないか。
だから駄目ってことは無い。
結果として放射線への耐性が上がるのはいいことだと思う。
でもなんか進化って感じがしなくて、ちょっと物足りないんだよな。
あと、記事中の
核兵器による放射線
だと、こんな防御なんて役に立たないんじゃないかと思うが。
それはそれとして、人の幹細胞で実験なんて、もう共産圏でしかできないのかね。 いや、裏でこっそりやってはいて、その成果を表立って発表できるのが共産圏だけなのか。
どっちでもいいけど、早く実用化してほしいものだ。 そして兵士ではなく一般住民に使ってほしい。 スーパーソルジャーを作るのもいいけど、まずはスーパー住民を。 できればワクチン注射ぐらいのお手軽な形で。
そんな感じで安価に実用化されてスーパー住民ばかりになると、原発のコストが劇的に下がるからね。 発電所施設の放射線対策も、核のゴミ対策も、今よりもはるかに軽くできる。 なぜならもう放射線は脅威ではないのだから。