金を払え
緊急事態は月末まで延長になった。 まあ、予想通りではある。
そんな中、水泳の池江璃花子のツイートに、オリンピック辞退しろとか中止の声を上げろとかリプライが大量に寄せられているのだそうだ。 そんな記事を見て、わざわざ見に行ってみた結果がこれ。
- オリンピック選手が高齢者よりも先にワクチン接種するのか。
- 疲弊している医療関係者を更に酷使しようとしているのに何も言わないのか。
- コロナ禍で参加できない国がある中でメダルを争うのはフェアなのか。
- あなたの復活で勇気をもらった人が死ぬかもしれない。
人によって表現は違うが、言ってることはだいたいこのパターンに集約できる。
これらに対する池江さんの回答。 長いツイートが連投されていたが、一部を抜粋。
私に反対の声を求めても、私は何も変えることができません。 ただ今やるべき事を全うし、応援していただいてる方達の期待に応えたい一心で日々の練習をしています。 オリンピックについて、良いメッセージもあれば、正直、今日は非常に心を痛めたメッセージもありました。 この暗い世の中をいち早く変えたい、そんな気持ちは皆さんと同じように強く持っています。 ですが、それを選手個人に当てるのはとても苦しいです。
何も変えることができない訳じゃあないんだよな。 涙の復帰戦で言ってた 「努力は報われる」 も 「自分の姿が誰かに勇気を与える」 も、方向性は違っても効果は同じなのだから。 中止に向けた努力は、たとえ中止には至らなくても、何かしらの爪痕は残すだろう。 中止しようと行動する姿は、少なくとも反対派には勇気を与えることだろう。
なのにここで
私は何も変えることができません
と言うのは、つまりオリンピックに出たいからで、出れるのに辞退するなんて選択肢は彼女の中には無いからだ。
それを悪いとは言わない。 彼女のこれまでを考えると、そりゃそうだろって思うし。
できれば
私は何も変えることができません
なんてちょっと前の自分の言葉を否定するのではなく
「私はオリンピックに出たいから、開催を信じて努力する。
中止したい人たちは、中止に向けて努力すればいい。
これも一つの勝負。
お互いに正々堂々頑張ろう」
ぐらいのことを言って欲しかったが、まあ、周囲が言わせないか。
ところで中止派が池江さんに行動しろと迫るその論理展開は、そう間違ってはいない。 オリンピックが開催されれば、医療関係者は今以上に時間も手間も取られ、その皺寄せは患者に行くだろう。 高度医療を受けて復帰した池江さんに、医療体制の維持という観点から行動を迫るのは、筋は通っている。
駄目なのは只働きを要求していることだ。
どんな競技でもだいたいそうだが、水泳は特に競技者としての人生は短い。 そしてその後の長い余生は、オリンピックに出たかどうか、そしてメダルを取ったかどうかで大きく変わる。 要は生活がかかっているのだ。
現在、推進派の広告塔となっている池江さん。 このままオリンピックが開催されれば、涙の復帰もあって、きっとガッツリ稼ぐことだろう。 メダルを取ればもっと。
そんな彼女に中止派の広告塔になれと言うのだ。 であれば、オリンピックの後に得たであろう収入も込みで、相当の対価を示さなければならない。 主張が正しいと思うなら尚の事、主張のための手段も正しくあるべき。 やりがい詐欺みたいなことを求めてないで、きちんと金を払え。
いやまあリプライしている人たちにそんな金は払えないだろうけどさ。 でも、なんかもうちょっと具体的に、行動を起こし易くなるような提案とセットで、辞退を求めて欲しかったな。
たとえばクラウドファンディングなんてどうだろう。
池江さんに安心してオリンピックを辞退してもらうために! 目標金額10億円!
こんな感じで募集して、金額も人数もそれなりに集めて見せる方が、Twitterにリプライするよりもずっと効果的だろう。 集まらないなら集まらないで諦めもつくし。 今からでも遅くはないのでは?