チェルノブイリの狼

突然変異と淘汰の積み重ねを 「適応」 と言って良いのか、ずっと疑問に思ってはいたが、じゃあ替わりに何と言えば良いのか、これといって代替案も無いんだよな。 ということで、言葉の使い方をあまり気にしないようにと前置きして、ナゾロジーから。

原発事故以来、チェルノブイリ立入禁止区域では、イノシシ、シカ、アライグマ、オオカミ、200種以上の鳥類など、多くの野生動物が再定着しています。

それら動物は被ばくしながらも、何世代にもわたって生き残っているのです。

そこで2014年、ラブ氏ら研究チームは、発がん性のある放射線に対するオオカミの反応を理解するために、調査を開始しました。

〜中略〜

研究チームが、立入禁止区域の内側のオオカミを外側のオオカミのDNAの違いを調べたところ、チェルノブイリ立入禁止区域内のオオカミたちは、放射線治療を受けているがん患者と同様に、免疫系が変化していました。

分析の結果、そのオオカミたちは、がんに関連する多くの遺伝子に変異が生じており、人間を対象とした安全限界の6倍に相当する放射線を受け続けているにもかかわらず、その影響に対して高い回復力をもっていることが分かりました。

オオカミたちは、放射線から身を守れるよう、過酷な環境に適応していったのかもしれません。

もちろん、さらなる研究が必要ですが、チームは 「この発見が、ヒトにおける新たながん治療の開発につながる可能性がある」 と期待に胸を膨らませています。

さらっと書かれている 放射線治療を受けている癌患者と同様に、免疫系が変化していました だが、これ、言っちゃって大丈夫なのだろうか。

放射線治療は、癌細胞の遺伝子を傷付けて増殖を阻害しつつ殺すことが目的。 その際、周囲の正常な細胞の遺伝子を傷付けて癌化させる危険性がある。

と、ここまでは周知されている話だと思うが、免疫系を変化させるってのは、俺は知らなかった。 知らなかったのは俺だけ?

まあ、それはそれとして。

記事は狼の話だが、変化について狼と同様なのだから、放射線治療を受けた癌患者も放射線耐性を獲得するってことだよな。 効果の程度まで狼と同様なら、最終的には一般人の6倍ぐらいの放射線耐性を得られると。

だったら、福島周辺の帰還困難地域に帰りたい人に、放射線治療をするのはどうだろう。 いや、まだ癌でもないのに治療ってのも変だし、放射線接種とでも言っておくか。

被接種者は、発癌リスクは上がるかもしれない。 一般的な放射線治療と同程度には。 しかし、彼の地に帰りたい人のほとんどは高齢者。 癌の発症前に年齢で死ぬか、発症しても進行が遅いので、問題になる前にやっぱり年齢で死ぬだろう。 生活に支障が出るような事態にはならないはず。 だったら最後ぐらい思い出の地で暮らせるようにしてあげればどうか。 放射線接種で。

最終的に6倍までの放射線耐性を得られるなら、帰還困難地域のかなりの部分を解放できるんじゃないかと思うのだが。