さんをつけろよデコ助野郎
通れば死ぬという呪いのトンネル。 見れば死ぬという呪いのビデオ。 まあ、よくある話だよな。 信憑性は話の数に反比例の関係だけど。 死んだのに何故トンネルやビデオが原因だとわかるのかって、ねえ。
ところで俺の仕事には、この作業を始めると必ず問い合わせが来るという呪いの作業アイテムがある。 その作業アイテム自体は優先度が低くて、ほっと一息ついたときに気が向いたらやるって程度。 しかしその作業に引かれて来る(?)問い合わせは大抵根の深い問題に発展して、他を全て後回しにしてそればりに掛かり切りになるのだ。
それを先週、忙しさが一段落したときに、ついやってしまったんだよね。 そして今週が無駄に忙しくなる貞子。
「温度の単位で摂氏っていうじゃん?」
「言いますね」
「朝、バスの中で気づいたんだけど、摂氏の氏って敬称なんだよね。 英語ならミスター」
「ミスター? あ、言われてみればそうですね」
「でも英語の場合は degree Celsius だっけ? 敬称付けないよね」
「そう…ですね。 付けないですね」
「ファーレンハイト推しだからセルシウスは呼び捨てってこともなくて、どっちも呼び捨てだよね」
「ファーレンハイト推しって…」
「他の言語も調べてみたけど、敬称付けてるのって日本語だけなんだよ。 日本ちょっと凄くない?」
「えー、でもめっちゃ省略してますよね、セルシウスがセだけとか」
「だからだよ。 そこまで省略するなら、まず真っ先に敬称略だろ」
「それは、まあ…」
「そこまでしてるのに敬称は外さないからね。 摂氏の半分は尊敬でできています。 どう?」
「えー…なんか納得いかないです」
そんな無駄話をしながら、しかし手は休めない。