機動警察パトレイバー
あんなシンプルな操縦システムで、どうしてあんな複雑な動きができるのか。
ロボットものの漫画やアニメで、これをちゃんと示した作品は少ない。
初代ガンダムでは、教育型だったか学習型だったかのコンピューターの支援があったはず。 ボトムズでは、交換可能なミッションディスクが、汎用的なOSの存在を示唆していた。 かなり毛色が違うがFSSの世界では、生体コンピューターのファティマがMHの汎用OS的な立ち位置で、騎士のサポートをしていた。 すぐに思い出せるのはこのぐらい。
モーション・キャプチャー、音声指示、神経接続、等のインターフェースを見せるものは多いのだが。 って、そりゃ見せられるからか。
PATOLABOR THE MOVIE
また押井守監督作品。
まずは原作の漫画があって、それを映画化したと思っていたが、元からメディアミックス展開の予定だったそうだ。 そして最初にスタートしたのが漫画版。 世に出るまでの手間を考えると、先行するのはやっぱり漫画になるのかな。
漫画版のストーリーはまるで覚えていないが、この劇場版は、冒頭の疑問に 「OSがサポートするから」 と回答を示した数少ない作品の一つ。 というかむしろOSが主役。
HOS : Hyper Operating System
このレイバー用OSの開発者である帆場暎一が自殺するところから、物語は始まる。
散発するレイバーの暴走事故。 載せ替えるだけでレイバーの性能を格段に向上させるHOSに、暴走の原因があるのではないかという疑惑。 そのHOSは帆場がほぼ一人で開発していて、メーカーの篠原重工にとってもブラックボックスだったという事実。 そして明かされる暴走の引き金。 シミュレーションの結果は、一度でもHOSを搭載したことがあるレイバーの一斉暴走。
旧約聖書から拾ってきたネタを随所で使いながらも、厨二病の手前で踏みとどまっているように見えるのは、演出が良いからだろうか。
パトレイバーを扱う機動警察の面々が、山あり谷ありのドタバタの中でHOSの謎に迫る。 これと並行して従来の刑事が、淡々と帆場の足跡を辿る。 この対比が、物語に深みを与えているように思う。
それにしても帆場は、どうして結果を見る前に自殺したんだろうね。
完成前の方舟から烏を飛ばし、自らは飛び降り自殺。
方舟と言えば洪水。 帆場はきっとレイバーの一斉暴走を洪水に見立てていただろう。 神話の時代、神は洪水によって人を一掃すると決め、しかしノアには方舟を作って洪水を乗り越えるよう指示した。 現代、人は勝手に作った建造物を方舟と名付け、これが洪水をもたらす引き金になると気付いていない。 仕組んだのは、間違って広まった神の名前エホバ(E.Hoba)を持つ者。
俺が帆場なら、結果を見るまでは死ねないな。 成功の確信があったとしても。
そうそう、かつてはクライマックスに向けて盛り上がる流れの中だったせいでスルーした香貫花の入国シーンだが、あれは無いよな。
Sightseeing?
No. Combat!
入国審査でコンバットなんて言ったら止められるだろ。 戦闘って、お前、何するつもりなの? テロリストなの? 俺らのこと馬鹿にしてんの? と。 映画の中に描写はないが、あの後、職業を明かしての平謝りだったんじゃないのかね。 アメリカンジョークだと受け取ってスルーしてくれたとしても、極秘作戦で帰国してるのだから、作戦内容を仄めかすようなことを言っちゃ駄目。
ちなみに俺は野明より香貫花。 そして南雲隊長に逮捕されたい。