貴方がYESでも私がNOなら

掲げた理想とそのための行動が不整合という、割とよくある話。 共同通信から。

内閣府は18日夜、若者の性暴力被害予防を啓発するポスターについて、別のイラストレーターの作品と類似しているとの指摘を受け、使用を中止したと発表した。 製作は凸版印刷(東京)が請け負った。 内閣府の担当者は19日、記者会見し 「不適切な点があったことは極めて遺憾で、イラストレーターに深くおわびする」 と陳謝した。

ポスターは 「若年層の性暴力被害予防月間」 の一環で製作し、約1万6千枚を印刷。 全国の鉄道駅や大学に配布し、掲示を呼びかけていた。 配布済みのものは可能な限り回収するという。

内閣府によると、イラストレーターの、たなかみさきさんの作品と似ているとの指摘があった。 凸版印刷に確認したところ、同社から 「作品を参考にした。 類似性のチェックが不十分だった」 との報告があったという。

回収になったポスターを見たが、確かにたなかみさき風だった。 描かれている人は勿論、構図や色使い、文字の入れ方も。 それらを引っくるめた所謂画風は、パクリと言われてもしょうがないレベル。 何も知らないで見たら、たなかみさき作品だと思うだろう。 これを無断でやっちゃ駄目。

しかし業者の言い訳はどうなんだろう。 作品を参考にした なら、その時点でもう類似しているだろう。 それを 類似性のチェックが不十分だった って。 じゃあ類似性のチェックって何をするのか、と。

内閣府の担当者が本当に知らなかったのか、最初に 「こんな感じで」 と提示しておきながら業者のせいにしているのか、俺には判らない。 しかし業者の投げやりな言い訳に、言いたくても言えない事情が何かあるんじゃないかと勘繰ってしまう。

ところで回収されたポスターについて。

あなたがYESでも、わたしがNOなら性暴力。

これはその通りだと思う。 したい気持ちになったとしても、相手が嫌がってるならやめておけと。 しかしなぁ…

「何も言ってこないから喜んでると思った」

「怖くて何も言えなかった」

どうなんだろうね、これ。

いや、前者は言う迄も無く駄目だ。 何も言ってこないのを喜んでいると解釈するのは、良く言えば希望的観測。 自分の欲望を正当化するための強弁でしかない。

しかし後者はどうなのか。 勿論、怖くて拒否できない場合もあるだろう。 でもこれが通ってしまうと、事前の合意ってものが成り立たないよな。 事前にどれだけ合意を確認しても、後で 「あの時は怖くてそう言うしかなかった」 と言えるのだから。 一方の証言だけで簡単に合意をひっくり返して性暴力扱いにされるなら、安全のためには接触を断つしかない。

思うに、本当に合意しているのか、実は拒否したいけど言えなかったのか、この判断を人間任せにするのが駄目なのだ。

男女ともに感情と連動する生体反応をモニターし、状態を表示するデバイスを身につける。 これで互いにやる気状態表示ならやってよし。 この状態は中央で記録しておく。 そして裁判所から申請を受けて記録を提供できるようにする。 あの日、あの時、あの人は確かに喜んでたと。

どう?

今の技術なら、この程度のことは実現可能だろう。 当然だが、このデバイス無しでやるのは禁止。

モニターするだけでなく、もっと積極的に働きかけるようにしてもいい。 片方が拒否状態である場合、それが相手のデバイスに通知される。 これを受けた相手側デバイスは、装着者の欲望を鎮めるように働く。

どう?

装着者の欲望を鎮める機能は、いろんなところで役に立ちそうだよな。 とりあえず性犯罪は根絶できそう。 ディストピアまっしぐらな感はあるけど。