蟻地獄

先週からずっと体調が悪いようだった父が、今週に入ってからは食事を吐いたりするようになったため、病院に連れて行った。 結果、脈は速いが、その他は特に問題無し。 軽い熱中症か夏バテではないかということだった。 水分をきちんと撮るように。 酒は控えるように。 なんて注意されていたが、酒はきっと控えないんだろうな。 点滴を打たれて、ちょっと元気になったようだった。

改修中

高幡不動の五重塔は改修中。 先日 折れた相輪の先端を修理するらしい。 先端まで登ってみたいものだ。

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塩舟観音で 蟻地獄 を見て、 「普通は地獄の前に着く言葉が責め方を表現しているのに、なんで蟻地獄は責められる側が前に着いてるんだろう?」 と思ったのだが、よくよく考えてみると、これはこれで良いのかもしれない。

蝶はいい。 風に乗ってついと飛ぶ姿が美しい。 擂り鉢の底から僅かに見える青空に、たまに蝶の姿を見つけて、かげろうの幼虫は思うのだ。 いつか、あの美しい蝶の血を吸いたい。 優雅な羽を引き裂いて、括れた腰を挟みつけ、か弱い抵抗を楽しみながら、じっくりと血を吸うのだ。 蝶の血は、きっと甘いに違いない。

なのに、落ちてくるのは蟻ばかり。 産まれてから今日まで、ずっと蟻ばかりだった。 だから、この先もずっと、死ぬまで蟻ばかりなんだろう。 蟻は醜い。 油断してると噛み付かれる。 そして蟻の血は酸っぱい。

それでも、そんな蟻の血でも、吸わなければ死ぬから吸う。 いっそ死のうと、通りかかる蟻に目を瞑るのだが、体が勝手に襲いかかる。 気がつけば、乾涸びた蟻の死骸。 腹一杯の酸っぱい血。 吐き気をこらえて見上げた空に、青い筋の奇麗な蝶が一匹…

みたいな、かげろうの幼虫目線。 ただでさえ蟻が嫌いなのに、その嫌いな蟻ばかり食べなければならないという地獄。 人で言うなら 「ピーマン地獄」 みたいな感じか。

しかし、仮にこうだとしたら、蟻の立場が無いな。

そうそう、蟻地獄とは何の関係も無いが、脱原発依存について。 この言葉を 「脱・原発依存」 と切って、原発依存から脱すると考えている人が多いと思うが、実はこれ 「脱原発・依存」 で、八方ふさがりの菅君が脱原発にしがみついている様を表す言葉なのだ。 間違えないように。