外とは何処なのか

東北新社の子会社が、外資規制に反しているとして衛星放送事業の認可取り消しとなった時、フジと日テレも外資比率が20%超だと指摘されていた。 ネット上で。

かつてのフジテレビに対するデモのように、ネットでどう指摘されようがスルーされるだろうと思っていたが、取り上げるところもあったらしい。 財経新聞から。

武田良太総務大臣は23日の記者会見で放送法が外資規制(20%未満)している中で、フジメディアホールディングスと日本テレビホールディングスも外資比率が20%を超えていることを記者団に指摘され 「事実関係をよく確認した上で、適切に対処していく」 とのみ答えた。

外資規制を巡っては、規制を超えているとして総務省は東北新社から衛星放送事業を継承した東北新社子会社の認可の取り消し手続きに入っている。

記者会見で記者団が 「外国人直接保有比率が規制をオーバーしているところが2社見当たる。 フジメディアホールディングス(外資比率32.11%)と日本テレビホールディングス(23.78%)」 と指摘し 「東北新社は免許を取り消され、他方、フジテレビと日本テレビが見逃されているというのはどういうわけか。 法の下の平等や公平性、公正性に反するように思われるが、理由を」 と説明を求めた。

また 「一説に、議決権を与えていないからいいのだ、とも聞いているが、外資規制の理念が骨抜きになっていると言わざるを得ない」 とこの点に関しても説明も求めた。 武田大臣は 「事実関係をよく確認したうえで適切に対処する」 と事実関係確認のうえ、対処するとした。

外資比率が規制されているのは、外国からの介入を防ぐため。 介入というのは、例えばニュースの中で特定の国に有利に報じたり、バラエティやドラマの中で特定の国を上げたり下げたりだ。 判り易く積極的に持ち上げるばかりでなく、悪いニュースは流さないといった消極的な肩入れもある。

同じような規制を設けている国は多いようで、それはつまり情報工作に一定の成果が期待できるからだろう。

記事中に 議決権を与えてないから とあるのは、20%を超えたら名義書換えを拒否して議決権を与えない運用。 でもこれ議決で強制されないだけで、忖度しないことを保証するものではない。 というか上限の20%を超えてないから安心できるってものでもない。 20%という値も、完全に排除するのは難しいからこのぐらいでと妥協した結果だろう。

いつだったか、トヨタと三菱が自動車で同じような問題を起こしたことがある。 そのとき、トヨタはほとんど報道されず、三菱は連日報道された。 その扱いの違いはどれだけCMを出してるか、つまりは普段からどれだけ金を注ぎ込んでいるかの違いだと言われていた。

もちろんCMと出資とは違うだろうが、しかし議決権が有ろうが無かろうが、大手出資者に何の忖度も無いってことの方が無さそうだよな。 その意味ではきっと 外資規制の理念が骨抜き なのだ。 まあ、こういった規制はだいたい骨抜きになるんだけどさ。

外資規制が 「そうと知らないうちに偏った情報を提供されるのを防ぐこと」 であるなら、注力するのを 「知らないうちに」 の排除にする選択もあるだろう。 つまり何処の国から出資を受けているのかを公開させるのだ。

「この番組は、ご覧のスポンサーの提供でお送りします」

このいつものセリフに続けて、もう一言。

「この放送局は、ご覧の国からご覧の割合で出資されています」

クリアになったのか、新たな色眼鏡をかけることになるのか、なんかちょっと微妙ではあるが。 でも無いよりは良いだろう。